天鳳強者研究32:お知らせさん(天鳳位)踏み込むリーチファイター天鳳位!!


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先日、天鳳ヨンマに14人目の天鳳位が誕生した。お知らせさんである。

瀬部麟一郎の妄執は明後日の方向に向かい、のべ14人目の四麻天鳳位となることができました pic.twitter.com/VEeATAf7PC

— お知らせ (@shirase_ccr) 2018年11月9日

お知らせさんと言えば、鳳南界(というか天鳳界)きっての鬼打ち勢として名高い。今年の6月には生活の全てを天鳳に捧げ、鳳南月間打数1041本という世界記録を樹立している。ギネスに載って良い。

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私が初めてお知らせさんの観戦をしたのは、ちょうどその鳳南鬼打ちトライアルをしていた時のことだ。昼夜問わず常に鳳南の観戦欄にいたお知らせさん。昔海外で50時間ぶっ続けでネトゲやってたゲーマーが死んだ、ってニュースがあったが、この人は大丈夫なのか?というのが最初の感想。

そして観戦して衝撃を受けた。「鬼打ちトライアル中なのに打牌が非常にゆっくりで丁寧」だったのだ。普通1000本打とうと思ったら、一打一打はある程度適当になっていくことは想像に難くない。しかしお知らせさんの打牌速度と丁寧さは、鉄強が集中して打っている時のそれだった。仕掛けが入り乱れても、しっかりと読みを入れながら、一打一打集中して打てている。これ一ヶ月やったらマジで死ぬぞ、と思った。死ななかった。さすがです。


↑死なない

 

牌譜を見た印象。うまぶったり捻ったりすることはあまりなく、真っすぐな手順で手牌を進め、そこそこ以上のリーチをガシガシぶつけていこう、というのが恐らく基本スタンス。天鳳位の中では一番の立直ファイターなんじゃないだろうか。わりとzeRoさんとかいちはらさんとか寄り。

その中でもお知らせさんが他のリーチファイターと差をつけているところは、「先の展開を読む大局観」と「人より一歩だけ踏み込むこと」じゃないだろうか。

これは危ないドラを先処理して準安牌の発をキープ。ドラを切ってもリーチ時でそこそこ以上の打点は確保されており、十分ぶつけられる手。2sを残しても3s先引き以外は結局ドラが出ていく。中盤の基本手順だろう。

ここは形式テンパイにも取れるがスルーとした。かなり好形っぽい河で2pの放銃率はかなり低そうだが、ここでケイテンを取っても流局まで維持できる可能性は高くなく、点棒状況的にケイテンの価値も下がっている。ノーテンで親落ちしたとしてもさほど損ではない点棒状況だ。

しかし巡目が進みこうなれば話は別だ。ポンして3m切り。こちらはスムーズにケイテンを取れる可能性がグンと上がっている(ついでにハイテイも消える)。ならば、テンパイ料もらってもう一局、の方が順位期待値は良くなりそうだ。

迎えた次局。上家の8s切りは8p切りと9p切りの間なので、染まってはなさそう。少し離れたトップ目、かつ下三人が平たい(=低打点のアガリで局が進みやすい)ため天鳳だと守備気味に行きたくなるところだが、かと言って中抜きするのもちょっと弱い。ここは真っすぐ行ってトップを固めるアガリをもぎ取りに行く。多分この2sは押さないといけない牌。

オーラスの微差トップ目。下家は4pチー打8p、3sポンして2枚目の4m。まともに読めば47s58s58mの三点だろう。さらに言えば11巡目の3pはかなりスライド濃厚なため、もう一枚ドラを持っている(つまり放銃すると3着落ち)。この8sはさすがに切れない。流局でも親がテンパイなら次局あり、テンパイ復活の可能性も十分あるため、意外と希望は残っている。8p切り。

ここで回るのは当然だが、大事なのはこういう局面で100回中100回回れること。

ちなみに上家の銀色いがぐりさんも当然同じことを考えている。倍満放銃しても着順は変わらないが、放銃すると終了してしまう。テンパイ効率MAXには取らず発切りとしている。

親の赤5s切り。ここはさすがにチー。だが、西切りではなく8p切りとして形を決めた。親は攻撃してくる可能性が高く、ソーズ以外安牌がないことを考えると西1枚だけでは心もとない。西家もいつ襲い掛かってきてもおかしくなさそう。よってここは半身の構え。こういうバランスの取り方は非常に参考になる。

結果的に安全進行のみでめくりあいができた。アガリには結び付かず。

ドラは増えているしラス目の立直だが、ここは当然飛ばしのトップを取りに行くところ。2s切りリーチ。

こういう踏み込みがお知らせさんの特徴じゃないだろうか。役牌を二つポンしている親には鳴かれるだけでも厳しい。そのため、1p切り辺りで様子を見つつ絞り気味の進行をしたくなるところだが、自分のアガリを見てまっすぐ7p切り。人よりも一歩だけ踏み込む。

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これは面白い一打。白ポンの1500点にはあまり意味はない。白を残して高打点となるのは白ツモの2枚だけ。それよりもタンピンに寄せた方が決定打となりやすい、ということで2シャンテン戻し、だろうか。3p周りがドラだったり、白対子がオタ風対子だったりした場合は普通の手順だが、役牌対子でのこういう打牌はあまり見たことがない。

そして大満足リーチ。この手順はなかなか踏めないんじゃないだろうか。

そんな打撃系の打ち筋を見せたかと思えば、こちらの赤5sはチー。上家の捨て牌にピンズが高く、カン5pはネックだが、ここを鳴いておけば47sもチー出来る。結局3mを引ければ5800。アガリ率に結構な差が付きそう。これは結構鋭いチーなんじゃないだろうか。

オーラス。8sツモの3面チャン変化に意味はないが、ここは当然7sではなく4s切り。この意図は・・・

これだ。中ポンの時に58sに受けられるのに加え、58sツモの時も満貫になる。

ツモを増やすため加カンして、8sツモで条件クリア。我々は目指そう、パーフェクトな1000打を!!


↑パーフェクト

南3トップ目、リーチ手順を踏んでリスキーな愚形リーチを打ちに行く局面ではない。喰いタンに寄せる9s切り。9mを切らないのは、安牌に乏しい手でせめてもの安牌(ワンチャンス)をキープしたというところだろう。対面の暗槓はラス目のため手バラでもおかしくないが、この局面でこの手牌だと、優先すべきはアガリ易さよりも安全度か。

逆にこちらは3着目かつ手牌価値が高いため、安全度よりもアガリ易さを取る。ドラの南が鳴けたときに雀頭固定の手順を残せるよう、8sを残して2者に安全な1m切り。

こちらも踏み込み。こちらはまだテンパイすら取れていないが、北家の連続手出し(2s→1s→9s)がかなり弱弱しい。テンパイしている可能性は低く、万が一テンパイしていたとしてもケイテンの可能性も高いため、ギリギリまで自分のテンパイを見る。ここでのテンパイ料は非常に大きい。

すんでのところでテンパイが取れていく!

今9mをツモったところ。リーチに対して8p、4mと押したが、その後色々無筋が通って残り筋は5本。9mは切らないとしても、手拍子で4mを切ってしまうとテンパイ時に出ていく9mが結局キツイ。そんなら56pを並べてノーリスクで取れるテンパイだけを取りに行く。

そしてたどり着いたこのテンパイはリーチ!!2件リーチに踏み込むとなると待ちの悪さが気になる。決して勝算のあるリーチではないが、それでも安全牌を切りならダマよりはリーチの方が「マシ」だろう。麻雀は与えられた手材料で最善を尽くすゲーム。こんな待ちで3件目のリーチを打ちたい人間なんていないが、オリたらオリたで失点する。立直が一番「マシ」ならそれを選ぶのが最善だ。


お知らせさん、強かった。天鳳名人戦に出てくれたら、マジで応援します。

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【告知】鳳南研究所が本を出します【キャホホイ】

※題名の「キャホホイ」は当大介が起家を引いた時の歓喜のセリフですので、特に意味はありません。

鳳南研究所が、本を出します。
その名も「現代麻雀の神ワザ」。10月12日発売予定です。
10月12日っていうともうあと2週間後くらいですね


↑コレ。なんか表紙カッコイイ

本の内容としては、このブログと同じような形で、鳳南の強者達の牌譜から気になる部分をピックアップし、検討していくというものです。

目次↓

本の中では、大和田頭取さん、秋田のにんにくさんとの「牌譜検討座談会」も掲載しています。ちょっと飲みながら本人たちの牌譜について聞いたんですが、はっきり言ってめちゃめちゃ内容が濃い。二人とも思考の幅がめちゃめちゃ広くて、そんなことまで考えてんのかよ、こりゃ敵わんわ!という感じ。


※こちらは座談会の記事のほんの一部です。こんな感じのヤツが満載です。


私は麻雀覚えたてのころ、新しい戦術本を見るとワクワクしてたまんなかったんですよね。「ああ、これ読んだらまた強くなってまうやん、どないしよ…///」みたいな。私の麻雀仲間にカッコいいテンパイを果たすと鼻息をフンフンしだすヤツがいるんですが、そんな感じです。高揚感。胸の高鳴り。でもある程度強くなってからはそういうのはあんまりなくなってしまいました。
この本は、麻雀オタク向けの本です。はっきり言ってレベルは相当高い。ですんで、「もうオレには戦術本から得ることなんてなんもねーよ!」と思う方にも是非読んでもらいたい一冊です。読んでいるうちに「何これすげえじゃん!オレも取り入れてみようかなあ。あーなんか麻雀打ちてー!」ってなることを保証します。高揚感、あります。ご期待下さい。

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天鳳強者研究31:gousiさん(天鳳位) 競技打法を天鳳にアジャストさせた新天鳳位!


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2018年9月9日、天鳳TLが湧いた。
実に2年ぶりにヨンマ天鳳位が誕生したのだ。

連盟のタイトル戦であるJPML WRCリーグ決勝で、仲間たちが死闘を繰り広げている最中なので発表を少し遅らせました。

藤島プロ、おめでとうございます!

さて、私事ですが、実はこのたび第13代天鳳位になることができました。
変わらずこれからも頑張りますので、応援よろしくおねがいします!🐮 pic.twitter.com/rRV44IJAdu

— 齋藤 豪 (@Go_Saito3110) 2018年9月9日

天鳳ID「gousi」さん。連盟プロとして活動を行う傍ら密かに天鳳を打ち続け、ついに頂点にたどり着いた。天鳳位に到達してからプロ入りしたASAPINさん、すずめクレイジーさんを除き、麻雀プロとして初の快挙である。おめでとうございます。

さて、天鳳位が生まれたとなると、鳳南研究所としても放っておくわけにはいかない。実に半年ぶりに、ブログに記事を書くことにした。




gousiさんの牌譜を見た印象。競技麻雀打ちの強さと天鳳打ちの強さの両方を兼ね備えているな、という印象。

競技麻雀打ちの強みは、ズバリ「手牌の安定感」「場況対応力」じゃないだろうか。競技麻雀では周りの好形率が高いため、自分も好形を作っていかないとめくり合いで不利になりやすい。また高打点に寄せる手組みも多くなるため、終盤に手詰まらないようにするための工夫が必要になってくる。

逆に天鳳打ちの強みは、「貪欲にアガリに向かう姿勢」である。受け入れを狭めず、遠い仕掛けなども駆使しながら、先手ならば自分の和了率をギリギリまで上げに行く。これが天鳳打ちのいいところだ。

gousiさんはある意味で相反するこの二つの「強み」を融合させ、それをうまく天鳳というフィールドに適応させている。牌譜を見ながらそんな印象を受けた。


オーラス2着目で、できるだけリーチを打ちたくない局面。この1m切りは、天鳳のオーラスのお手本のような一打だ。3pを残すことでタンヤオ変化、好形(≒平和)変化を残す。先に引いたところで立直を打てない2m受けを残す意味合いは薄い。、

 


うっかり切りたくなる8pだが、これは残しておかなければいけない牌だ。7pを引いた時の形が段違いで、8pを切っていた時には
345m3556667p23s北 というネックの形が残るイーシャンテンとなるが、8pを残した場合には
345m35566678p23s という好形確定のイーシャンテンとなる。今回で言うと自分が段トップ目であり、8pが親の現物であることも大きい。

このチーは面白い。

面前でのタンヤオ、平和、三色、ドラ引きがあるため、一見して平均打点の下がり幅が大きく、チーしづらい牌ではある。が、実際のところこの2sをスルーした場合には、残り2枚の5pを引かなければ三色にはならず、実はかなりなりづらい。親が両面ターツを落としており早そうなことを考慮すれば、名残惜しいがここでチーテンを取ってしまう方が有利になりそう、という思考であろう。何せ、この点棒状況では親リーを受けるとかなり押しづらい。仕掛けても高目三色のため打点はそこそこ。

赤5s引きを活かすためチーではなくポンという手もあるが、念のためラス目の現物を残したというところであろう。

その次局。このピンフドラ1をダマテンとした。巡目が遅く、後々の対応力に自信がなければ、リーチとしてしまった方がわかりやすいだろう。しかしラス目が離れている状況で、どこから追っかけが来てもおかしくないため無理せずダマとした。この辺りは競技麻雀的な安定感の取り方である。


こちらは下家の仕掛けとの兼ね合い。5pを残せば25p引きでのタンヤオ変化があり、満貫になる可能性も出てくるが先に5p切りとし、発を絞った。下家はタンヤオというよりもバックやトイトイなことが多そうなため、5pよりも発を絞っておこうという意図であろう。


あっさり2巡でツモアガリ。優勝者のツモだ。

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東発の親番。ポンテンが取れる1pだが1枚だけ?スルー。

愚形愚形のイーシャンテン。だがマンズが4連形含みで変化が多く、ピンズの37引き、ソーズでの両面変化と、三つの色のどこでも好形を作れる余地がある。東発の親番なら、もうちょっとだけ大振りしてみよう、というところであろう。リーヅモ中でもいいし、ドラ引きも三色もある。


これがうまくハマって3900オール。完全に良いアガリだ。


東バックで5800になる赤5sはチーして・・・

 

次巡出てくる3sも当然チーして・・・


8m切りですよね。

上家は1副露とはいえ赤5sまで切ってきていてテンパイ率は結構高そうである。自分の河も上家の河も煮詰まって見えるこの状況では、あまり東の出は期待できない。見た目以上に和了率が低く、そんなイーシャンテンで上家にドラを切っている場合ではない。

 


こちらも良い一打。西家や北家は変則手の感があり、将来的な安全度は2m>西となりそうだ。またマンズが非常に安いため2m縦引きの変化にもかなり期待でき、3m引きのマンズ二度受けでも十分嬉しいところだろう。

この3sは上家への先切り。ここが3sを切れるギリギリのタイミングだろう。


オーラス。ここは少し捻って2s切りとした。ペン3sがかなり強そうに見えるため、1枚切れの2sを切ってペン3sに固定。トップまで6900点差、できればこの一局で終わらせてしまいたいため、ドラ受けの5pを残す。これはなかなかマネできない。


トップ目の南3局。西は自風。この2pは当然ポンして前進していくが・・・。


なんと6p切りである。
西のみで一局つぶしても良いが、ここはトイトイで勝負を決めにいくコースまで見た一打とした。東ポン打8sでの3p単騎は結構盲点になりやすいところである。

現状2着目と6300点差だが、それだけではなく3着目、4着目の点数も関係してきているだろう。2着目の下家は現状ラスが遠く離れているため、ここで自分が1300を和了った場合、オーラスはゆっくり満貫を作りに来ることが予想される。3,4着目がもう少し近ければ3p切りとしたかもしれないが、下家が余裕のある状況でこの巡目ならば、6p切りで決めに行くというのは面白い。工夫してるなあ。

こちら南3局のトップ目、役なし36mテンパイ。リーチを打つと親もオリに回りそうだし普通はリーチを打つところだが、ここはダマテンとした。36mあがれなさそうすぎワロタダマ、といったところだろうか。それとも誰かの捨て牌に何かを感じたのだろうか。


こんな感じである。全体的に工夫が多く見られ、見ごたえのある牌譜だった。いつかプロの大舞台で、すずめクレイジーさんとgousiさんが対決する日を期待しています!

 

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