月別アーカイブ: 2019年6月

【書評】「超メンゼン主義麻雀」(リツミサン著)


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「あのリツミサンが、本を出す・・・!!」昔から天鳳をプレイしている人にとっては特に、相当気になる本なんじゃないだろうか。


本の紹介の前にリツミサンの紹介を。

このブログや鳳南研究所本でもたびたび紹介している古参の強者「リツミサン」。「メンゼン派」を自称し、副露率は2割2分ほど。特異な打ち筋ながら、鳳南の長期安定段位では安定九段近い数字を叩き出している。

 

見た目は藤井聡太に似ている。初めて藤井聡太を見たときは、リツミサン麻雀やめてプロ棋士になったのかなって思ったけどなってなかった。
温厚な人柄で、口癖は「まあいいでしょう」。安い手に放銃したとき「まあいいでしょう」。安目だけどアガれた時とかも「まあいいでしょう」。ただし裏ドラが乗らなかった時だけは「かぁ~なんで乗らんかねぇー?」
最近は語彙が増えたようで「まあいいでしょう」の他に「まあいいでしょうという感じでしょう」等の複合形も使用してくるけどまあいいでしょう。
職業は歯医者をやっているでしょう。

実は私はリツミサンと10年来の付き合いである。多分もう1000半荘以上は同卓してるんじゃないだろうか。出会った当時、私の副露率は4割くらいあった。毎日毎日仙台の某雀荘でポンチーに明け暮れていた。

そんな中でうっかりリツミサンと出会った。自分の半分くらいしか鳴かないリツミサンがなんで強いのか当時よくわからなかったが、見てるうちに段々しっくり来るようになって、ちょこちょこリツミサン成分を自分の麻雀に取り入れていった。副露率を下げよう、と特に意識したわけではないけど、気づいたら副露率が.040くらい下がっていた。私の麻雀観を一番変えたのは、間違いなくこの人。

リツミサンはなぜ強いのか?それは場を見る能力が人より圧倒的に優れているからだ。別に面前派だから強いわけじゃない。リツミサンが面前派をやっているのは、面前進行の方が場を見る力を活かせるからだ。リツミサン風に言うと「場を俯瞰(ふかん)する」というやつだ。きっと患者さんを診察する時も、「ちょっと口の中俯瞰しますね~」なんて言っているに違いない。そして対応の仕方が上手い。相手との距離感の取りかたが独特で、上手い。これはちょっとやそっとじゃ身につかない技術だ。

で、その日頃から場をめっちゃ見ているリツミサンが、場の見方と場への対応の仕方に主眼を置いて書いたのがこの本。難易度は高いが、内容は非常に濃く、かなり実践向きの本だ。

 

ーー状況を把握し、周りの状況を読み、そしてその後の展開を読み打牌をする。メンゼン派は一歩引いた多くの選択肢を持っているのだ(本書p219より)

この本は「戦術書」というよりも「麻雀が強くなるための本」に近いと思う。どういうことか意味が分からないかもしれない。

本の中身は、ほとんどが立体何切るとその解説で構成されている。「これを切るのがいいだろう」と書かれているものもあれば、そうではないものも多い。

例えばこんな感じだ。
「この仕掛けはどう見えるか?序盤から濃い切り出しだが4p6p3s7sという手出しはホンイツだろうか?マンズのホンイツなら3s7s4p6pという切り出しになりそうなのでホンイツっぽくはない。ただし早そうなので警戒は必要だ」

「この仕掛けはどう見えるか?割と早そうだが点数はわからない。こちらにテンパイが入ればまだ押していけるだろうか。とはいえドラの北や役牌を引いてきたら切りづらい。」

おわかりいただけるだろうか。この二つとも、何を切るかには言及していない。場況や点棒状況をどう見るか?だったり、今後場はどのように進行していきそうか?といったことに主眼を置いて書かれている。

私が強者の牌譜を見まくっていた時、このあたりの「場を見る能力」というのはめちゃめちゃ重要で、鳳南の中でも相当な差がついているところだと感じた。しっかり場を見て情報を得て、それを打牌に反映させる、というのは、鳳凰卓に入れるくらいの人はみんな「オレはそういうの大体できてるし」って思っている。でも実際しょっちゅうミスっている(もちろん私も)。というより、鳳凰卓のミスの3割くらいは場を見られていない系のミスなんじゃないだろうか。

今雀力向上に行き詰まっていて、どうすれば強くなれるかわからんといった人は、この本読むと「あーオレこういうのできてなくね?」ってなって結構雀力向上に役立つんじゃないだろうか。


想定されている読者レベルは高く、初心者向けの本ではない。特に読みの章なんかはかなりハイレベルなものだ。ただ、ここに書かれている思考プロセスをしっかりと理解して実践できれば、相当な力になることは間違いない。

それと、題名は「超メンゼン主義麻雀」だが、メンゼンをおすすめする本では全然ない。ポンチー型雀士でも大いにためになる本だ(ちなみにリツミサンは鳳東でも副露率2割5分ほどで好成績を残している)。

第1章 メンゼン派の鳴き判断
第2章 読み
第3章 メンゼン派のミスとの向き合い方
第4章 メンゼン派の手組と押し引き

 

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