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【戦術】「アンカン祝儀の店」(さん・ブル・リオ)での戦い方



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「鳳南研究所ウォッチ版」は、3月以降火・木・日曜日のみの更新としてます。
今日は記事お休み。ということで、大人の事情で「ウォッチ版」の方には載せられなかった記事を、ブログの方にアップしますw

 

「アンカン祝儀の店」というのをご存知だろうか。

さんグループの雀荘・麻雀店:Tokushuses Chain Tempo [麻雀王国]

この店の祝儀は5000点相当。局の途中でアンカンすると、祝儀1枚オールがもらえる。
さらに3pをアンカンすると、祝儀1枚オール+3000点オールだ。

他の雀荘では中々見かけない、かなり独特なルールだ。今回は、このルールの戦い方について書いていこうと思う。

①ルール

・ウマは1-3の東南戦。祝儀は5000点相当。

・赤5は入っていないが、代わりに赤3p(ドラ扱い)、スーパー3p(ドラ扱い+面前なら祝儀が付く)が1枚ずつ入っている。
面前でのスーパー3p、一発、裏にそれぞれ祝儀が付く。


・アンカンした場合には祝儀1枚オールとなる。3pのアンカンをした場合には、祝儀1枚+3000点オールだ。

・形式テンパイなし。面前でのテンパイは全てテンパイ扱いとなるが、鳴いている場合には役牌なりタンヤオなりの役がついていないとテンパイ扱いにはならない。

主なルールはこんなところだろうか。

②「アンカン祝儀」への対策

・アンカン≒「和了」という意識を持て

「アンカン祝儀」の対策として最も大切なことは、アンカン≒「和了」という意識を持つことだ。これさえ意識しておけばそうそう間違うことはない。
それを踏まえて、実際にどう打つか見ていってみよう。

・アンカンは1巡でもためらうな!!

東1局、配牌。

良い配牌だなあ、とかボケっと南を切っている場合ではない。即座にカンだ。
アンカン≒和了なのだ。この手は配牌でアガっているんだから、アガリを宣言しないわけにはいかない。配牌がこれなら、アンカンした後もう一回手を組みなおしてアガれる可能性だって十分ある。

こんなバラバラの配牌も、1巡目からカンだ。アンカン≒和了なのだから、1巡でも早く和了宣言するのは当然だ。他家にドラが乗ろうがなんだろうが、自分の和了の前には関係ない。

・ベタオリ中でも生牌の暗刻は崩すな!

例えばリーチを受けてこの牌姿。4s6sが通っているとする。マンズやピンズは通っていない。
この場合には、一番安全な牌は1sだが、通っていない筋がまだまだ多く、1sや西が生牌のうちは9s切りとしたい。
1sや西をもう一枚引いてきて、アンカンできる可能性を残すのだ。
アンカン≒和了とすれば、現在1sと西待ちのテンパイなのだ。比較的安全な9sで2巡凌げるのなら、わざわざテンパイを崩す必要はないだろう。

・テンパイ・アガリからでもアンカンしろ!

例えば6巡目、こんなテンパイをしたとしよう。

ここに4枚目の5mを引いてきた。さあどうする?
どうもこうもない。問答無用でカンだ。
69sのテンパイはまだ和了ではないが、カンは和了なのだ。不確定の69sのアガリに固執する必要よりも、確定の和了を拾おう。

ここに4枚目の6mを引いてきた。さあどうする?

これも当然カンだ。愚形の1000点テンパイより確定の祝儀3枚和了。57mのどちらかを縦引きすればもう一回アガれるドン。

58m8s待ちのテンパイ。ここに5mを引いてきた。これは?

もうお分かりだと思うがwこれもカンだ。これは5mを引いた時点で和了が確定しているが、5mツモが1100点なのに対し、5mカンはおよそ3000点の価値だ(5000点相当の祝儀1枚の価値を点棒1000点と換算。参考:【戦術】祝儀牌(赤牌)のある手の押し引き)。さらに言えばカンしてもペン8mテンパイは維持できる。問答無用でカンだろう。

ちなみに、今回はドラのない手を例として挙げたが、

白がドラで、満貫が確定しているような場合には、4枚目の5mを持ってきてもさすがにテンパイを維持した方が良いだろう。まあ、さすがにw

 

・リーチがかかっていてもアンカンしろ!!

「自分がアガれない形なのに、無駄にカンしてドラを増やしてしまうのは良くない」
これは常識だ。ただし、普通の世界での常識であって、アンカン祝儀のルールでの常識ではない。

親リーがかかっていて↑の形。ほぼアガれない手だが、4枚目の2mを引いたら即座にカンする。これは絶対だ。
親リーの打点が上がる?知ったこっちゃない。横移動するかも知れないし、流局するかも知れないし、はたまたカン2m待ちかも知れない。不確定な損失よりも、目の前の確定の利益を拾ったほうが良い。

親リーを受けてこの形の時も、4枚目の6mを引いたらカンした方がいいだろう。どうせテンパイ維持したってすぐオリる手なのだから、ここで確定の利益を拾う。

ただし、親リーを受けてここから5mを引いてきた時には、さすがにツモった方がいいだろう。これカンはさすがにやりすぎだw

・確定してないカンの可能性よりは確定の打点優先!!

通常なら3m切りリーチでメンタンピンイーペーコーで間違いない。ただアンカン祝儀のルールの場合には、平和を消す4m切りリーチで2mをカンできるようにしておく・・・と考えもあるだろう。

ただ、この形のようにピンフの打点差があるなら、まだ見ぬアンカンに備えて4m切りリーチをするよりも、素直に3m切りリーチだ。

58pは8枚あるのに対して、2mは1枚だけ、しかも自分がツモった時にしかカンできない。ほとんどの場合は2mをツモるより先に58pのアガリが先に来る。ならば、出アガリ5200よりは出上がり8000、ツモ裏で満貫よりは跳満にしてしまった方がいいだろう。

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③「赤牌」への対策―――いつもより濃い目の手作りをしろ!!

赤が3p二枚ということで、ピンズを他の色より大切にする、というのは当然として・・・

このルール、赤牌が2枚しか入っていない。普通のルールと1枚しか変わんないじゃん!と思われるかも知れないが、これが結構大きいのだ。赤が1枚減るだけでも、結構平均打点は落ちるんじゃないだろうか。赤の使いやすさも、3と5だとやっぱり5の方が使いやすいし、3pに2枚赤が入っている分、2枚持っていても使い切れずに一枚切ることになるケースも増える。

というわけで、「赤なし」の麻雀を打っているくらいのつもりで、結構濃厚な手作りをした方が良い。ガッツリ作りにいかないと、強いオジサン達に打点負けしてしまう。

④「形式テンパイなし」への対策―――粘らずに中抜きでオリろ!!

アンカン祝儀や赤3pに気を取られて忘れられがちだが、このお店は「形式テンパイ」がない。役がないとテンパイ宣言できないのだ。
そうなると、対策は一つ―――「粘らずに中抜きしてオリろ!!」だ。
もちろん、面前でのテンパイが取れそうなときや、役牌を鳴いてのテンパイが取れそうなら取れば良いが、普通の手ならあまり粘らずに中抜きでオリるのが良い。粘っても、結局鳴かないとテンパイ取れないということは結構多く、大してテンパイ料に結びつかない。追っかけたい手でもなければ、淡白にオリてしまうのが良いと思う。


昔、渋川難波プロがアンカンのポイントを競うイベントで、独自の打ち筋でダントツのポイントを叩き出した、なんて話もある(参照記事:超ヒモリロリローデッド『渋川流』)。もしかすると、思った以上にこのルールは考えることが多いのかも知れない。

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【天鳳戦術】自分の手牌によって字牌の守備力が変わる!?【過去掲載分】


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孤立役牌と役牌トイツ

例えばこんな手から、中をポンして9s切り。
手牌の形こそ悪いが、北の暗刻でいつでもオリられるため、安心安全な仕掛けだ。アガリ切れますか?と聞かれればまあそんなに自信ないですねって感じだけど、放銃に回ることもなさそうなのでまあ大体仕掛けますよね。

上の手牌の「北北北」を「南北北」にしてみた手牌。これもまあ中をポンしてもそこそこ守備力は残る。このあと西を切っていくとしても北北とあることで、まあまあの守備力は確保される。


これだとどうか。例えば中ポンして9s切りで、スリムに受けながら進行していく・・・とは言っても限度がある。ターツは壊せないし、フォロー牌や微妙な牌(例えば4mとか2pとか3pとか)を引いてきた時、どうしても字牌に手がかかる。すると、イーシャンテンで字牌が1枚だけになったくらいのタイミングでリーチがかかり、地獄を見る・・・という未来が簡単に想像できる。

この例から言えるのは、こんなことだ。
「孤立字牌を2枚持っておくよりも、字牌トイツが1種類の方が守備力が高い」
文字にしてしまうとひどく月並みだけどwなんとなくわかっているよりも、言語化できている方が自分の実になりやすい。
孤立字牌は(重ならなければ)後々手から出て行く可能性が高く、どんなに引っ張ってもテンパイすれば出て行くことになるが、トイツや暗刻であれば、テンパイした後でもずっと持ち続けられる。この差は大きい。

手組みへの活用

さて本題はここから。「孤立字牌を2枚持っておくよりも、字牌トイツが1種類の方が守備力が高い」←これを手組みに活かそう、という話。

現在東1局の3巡目。西家。


それぞれ、南は生牌、北は1枚切れとする。
①②でそれぞれ、南と北どちらを切るか。

まず①の手。これは明らかにメンタンピンの手だ。南北の重なりは全く嬉しくなく、重なったとしてもトイツ落としする手だ。であれば、素直に1枚切れの北を残し、南切り。他家からリーチがかかっても、とりあえず一発目は北を切って粘っていける。

そして問題は②の手。現状5ブロック揃っているが、愚形だらけ。中をポンするのも少し憚られる。
こんな時は、生牌の南を残し、北切りでどうだろうか。重なる確率は南>北。字牌が一枚重なりさえすれば、手バラながら中をポンして前に出て行くことができるため、重なりの余地を残しておいた方が良いだろう。つまりこういった役牌を仕掛けること前提の手の場合は、一枚切れより生牌の方が、攻撃力・守備力ともに高い牌となりやすい。
当然、目先の守備力は1枚切れの字牌の方が高いが、トイツになる可能性を考えれば、生牌の方が後々守備力の高い牌となりやすいのだ。

3 4

役牌頼りの手の場合は、目先の守備力につられず、生牌の字牌を残していくことが大切だ。

強者たちの実戦例

132_R
ASAPINさんの牌譜より。3巡目にしてメンタンピンのイーシャンテン。ここは字牌を重ねる意味がないため生牌の発から切る。これは基本手順だ。

123_R
西家。こちらの牌姿では、2枚飛びの中から切っていく。白や発の重なりは、ダブルバックになる、という攻撃面だけでなく、字牌トイツを持ちながら前に出られる、という守備面の意味も強い。

124_R
次巡も発を先に切り、白重なりに期待する。

 

1_R
これは就活生@川村軍団さんの牌譜より。どちらかといえば平和系で、面前で進めていきたい手牌のため、役牌を重ねるメリットはそんなに大きくない。というわけで生牌の発から切り出し、一枚切れの白、中を残す。 

2_R
が、こちらでは一枚飛びの北を切って生牌の中を残す。字牌が重なった時の守備力に加え、中重なりからのポンで、打点が3900になるのもかなり嬉しい。こういうの、つい目先の守備力を優先して、中切りたくなっちゃいません?私いっつも切っちゃってたんですけど、中残したほうが良さそうだなー・・・・。

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