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天鳳強者研究46:〓いちはら〓さん(最高十段)手作りと押しの強さが光る「重戦車」(前編)【過去掲載分】



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33人目の強者研究は、東風荘時代から強者として名を馳せている古豪、「〓いちはら〓」さんだ。

今から8年前のいちはらさんブログに書かれた、

「放銃率は高いほうが良い」

という一文はあまりにも有名。この名言が表すとおり、いちはらさんはとにかく相当な攻撃型の強豪として、東風荘時代から有名だった。その攻撃的な打ち筋で、サンマでは2代目天鳳位となっている。ヨンマでも十段に3回到達し、ダブル天鳳位の出現が期待されていたが、最近は忙しくてあまり天鳳を打っていないようだ。

ちなみにいちはらさんの名前の前後に付いている「〓」は、同じく東風荘で名を馳せていた「〓松井CS〓」さんからもじってつけたらしい。自分が最強と言って憚らないいちはらさんだが、東風荘時代からしのぎを削りあった松井CSさんにはライバル意識があるようだ。

いちはらさんの牌譜については、前編・後編の2回に分けて研究する。まずは前編、「手作り編」だ。どっしり構えてしっかりした手を作るその麻雀は、「重戦車」といった感じ。一打一打が、重いのだ。

供託3本落ちていて、巡目も中盤。急ぎたくなる局面だが・・・

どっしりと構え、リャンシャンテンに戻す5p切り。「肝が据わっている」とはこういうことだろう。ピンズが高いとはいえマンズ二度受けだし、なかなかシャンテン外せないなあ・・・

しっかりマンズのツモを捉えて理想形のリーチ、11600のアガリ。これは強いわ。

点棒的に一人沈んでおり、東をポンしての1000点はあまり嬉しくないところ(ポンするだろうけど)。3sを切っておき、9m引きで5翻アップする変化に期待する。

自分で切っている安全牌の発を持ってきて・・・

9p切りだ。ピンズは場に高い上に8p1枚飛びで、全く期待できない。ドラを使ってのリーチか、メンタンピンの2つに絞る。こういう一打、中々真似しづらいけどすごい合理的なんだよなー。打撃系の強者にたまに見られる手筋だ。

唸る一打。今9sを引いたところ。ペン3sの布石を作りつつ、9mにくっつけてのチャンタリーチも見ているだろう(自分で8mを切っているが、89m引きなら問題なし)。目先の赤に囚われず、しっかりとした構想を持っての6s切り。こういうのいい一打だなあ。

この局がすごかった。今ペン7sを引いてきたところ、ドラドラ赤の手牌で、何を切る?

一番素直なのは8s切り。ちょっと捻ったら、8sポンまで見た9p切りだろうか。恐らくアンケートを取ったら、8s切りが80%、9p切り15%、その他5%といったところだろうか。

いちはらさんの選択はなんと2p切り。一見すると「??」だが、これが素晴らしい一打に思える。

5pにくっつけて満貫にしたい手牌。いちはらさんの頭の中では、5pは絶対使うことになっているので、既に5pは1ブロックとしてカウントされている

というわけで、2pを登録抹消し、

この5ブロックで構える。5pのところを1メンツと数えれば、889pの部分はそのまま持っておきつつ、8sポンのタンヤオで仕掛けられるよう8sも残す。となると、切るべきは1枚飛びの2pしかなくなる。これはマジで中々思いつかない。言うだけあって、凄いわ、いちはらさん。

 

仕掛けも、しっかりと高打点の構想を持って仕掛け始める。この北ポンはトイトイダッシュではない。ポンして6m切り。

7mも鳴けて、1300/2600のアガリ。途中で役牌が重なれば満貫まであった。

 

この5p切り、どう見えるだろうか?6ブロックの中途半端な一打に見えるだろうか?

場に高いソーズを払うことは簡単だが、まだまだテンパイまで先は長い。このあとソーズを持ってくると全部切ることになり、対応力に欠ける。とりあえずイッツーにしておきつつ、全色で対応できるようにしておく。攻撃型雀士にとっては、後手から押し返せる形にしておくことは大切なことだ。

 

まっすぐならマンズ落としだが、上家がマンズのバラ切りをしており場況が良い。ここはピンズを一枚外していく。いちはらさんの手牌進行は、あまり5ブロックとか6ブロックとかそういうのでやってない感じがある。


鳳南研究所ブログでも数々の打撃系強者達の牌譜を見てきたが、その中でもいちはらさんの手作りは1,2を争うほど重く、かつ柔軟。ピストルではなく常にミサイルを撃ちにいく麻雀は、打撃系を志す打ち手なら、必ず一度は見ておいた方が良いと思う。

後編(押し引き編)に続く。

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【天鳳強者の麻雀観】攻撃型にも2タイプある【過去掲載分】


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かのとつげき東北さんは、過去に「おれは守備型と言われることもあるが、最強クラスなら当然避けられる放銃を避けているだけ。攻撃型と自称する人達が攻撃型ではなく放銃型なだけだ」という旨のことを書いている。ベタオリの技術が今ほど進歩しておらず、またベタオリしようという意識も今よりもずっと薄い時代だったのだろうから、無駄な放銃が今よりもずっと多かったことは容易に想像できる。もちろん、強い人はちゃんとオリてたんだろうけど。

攻撃型と一口に言っても、その中でも2つのタイプがあると考えている。

①全局参加型

「自分が多くアガる」ことに重点を置き、相手のリーチが来ても簡単にオリないタイプ。とはいえ、もちろん押し返すためにそれなりの打点は作る。
天鳳の強者で言うと独歩さんや銀色いがぐりさん、iq180真剣様あたりが該当するだろうか。プロで言うと平賀聡彦プロや佐々木寿人プロのようなタイプだ。

このタイプは、ひたすら前のめりでスピード重視で打っている・・・というわけではない。全局自分がアガることを理想とする以上、先手を取られた時にも押し返せる形作りが重要になってくるし、危険牌の先切り、安全牌の持ち方といった部分は、このタイプの強者の生命線と言っても過言ではないだろう。また、形を崩さずに粘っていくこのタイプの打ち方は、白黒つけないというか、曖昧な、中庸な打牌が求められるため、相当の経験を積んでいないとなかなか真似するのは難しい。この道を極められれば相当強いことは間違いないが、中途半端に真似するよりは、1か0かでわかりやすく押し引きしていた方が成績は出やすいだろう。

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これは銀色いがぐりさんの牌譜から。

1sを切るのは簡単だが、親に1sトイツ落としが入っており、対面も2sが早いため、あとあと1sが安牌になりやすい。後手を踏みそうな手では先切りしておき、押し返せる形を作っておく。

注目すべきは前巡、南をツモ切りしていることだ。前巡の時点では特に意識していないが、親のトイツ落としを見てスピード感を計っている。このあたりは感覚に拠るところだが、このあたりの精度がキモになってくる。

2
こちらはIq180真剣様の牌譜。
リーチがかかってもちょっとやそっとじゃオリないのがこのタイプ。愚形2つのイーシャンテンとなると結構厳しいが、現状安牌がなく(7mも宣言牌の筋)オリるのが困難なため、腹をくくって前に出る。

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天鳳位・独歩さんの牌譜。微妙な手で形を崩さずに前に出て行くのがこのタイプの特徴だ。7mを切ることは簡単だが、そうすると次に3pや3mを引かない限り大体オリになる。それよりは、早い巡目につき形をキープしつつ、自分のアガリを消さない。

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どうにもならないフリテンターツが出来て、ここで始めて中抜きの2s切りとした。普通の打ち手ならあと一、二歩早くオリに回っているんじゃないだろうか。

3
こちらも、巡目こそ深いものの通っていない牌が多く、親番のためワンチャンスの8m切り。こういった、非常に曖昧な判断が求められるため、なかなか真似するのが難しい。

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②勝負手作ってゴリ押し型

「高い手をアガる」ことに重点を置き、勝負手の時はガンガン押し、ダメな時は静かにオリるタイプ。
天鳳の強者で言うと罪歌さんやzeRoさん、いちはらさんあたりが代表格だろう。プロで言うと鈴木達也プロや瀬戸熊直樹プロあたりか。

こちらは、全局参加型よりは少し真似しやすいんじゃないかと思う。

ただ、このタイプの強者は、ひたすら打点を叩きにいきまくっているように見えて、牌譜を見ると結構臨機応変に、ササッとチーテンを取ってみたり、手牌に素直にまっすぐ進めていたりしている。そりゃそうだ、素点の比重がぶっ高いルールならともかく、完全順位制の場では打点一辺倒だけで勝てるほど甘くはないものだ。

また、勝負手が入ればゴリゴリに押すが、手がショボイ時の守備意識は非常に高い。このタイプの元祖といえば小島武夫プロ。小島プロは手作りばかりが注目されるが、実は非常に堅~い打ち手で、よく見ていると、同年代の誰よりも中抜きしまくってオリている。知ってました?

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形で打つなら打6s。しかしタンピン変化や678三色の打点を見ると打2sだ。「周囲を突き放して大きく浮くチャンスを作る」という意識が高いため、形のロスが少なければ打点を作りに行く。

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重戦車・いちはらさんの一打。この手で前に出るなら、メンタンピンかもしくはドラの南を使い切る手順。カン8pが埋まったところで戦う手にはなりづらいため、受けゴマの発を残して先にカンチャンを払う。

5
押し返しは、成功率もそうだが、成功した時のリターンの大きさを重く見て選択している。ドラを切ることは簡単だが、ワンパンチで決めに行く。

5
それでいてこういうところは非常にしっかりしている。ラス目の両面チーに即座に反応して抜き打ち。これができてこそ一流だ。


このように、「攻撃型」と一口で言っても、全局参加型と打点作ってゴリ押し型だと少し打牌選択が変わってくる。攻撃型の強者を目指すなら、参考にして欲しい。

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