前編はこちら。
いちはらさん研究の後編。今回は、いちはらさんの押し引きについて見て行く。
攻撃型と言われるだけあって、確かに押しは強い。押しは強いが、押し方が非常に丁寧な印象を受ける。早速見ていこう。
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とにかくそう簡単には形を崩さない。ドラまたぎながらワンチャンスの3sから。
ワンチャンスは安全ではないとよく言われるが、巡目の浅いうちのワンチャンスは多少ではあるが信頼度が上がるはずだ。山が長い分、残り1枚の4sが山の中にいる可能性が上がるため。
今5sチー打4mの仕掛けが入ったところ。
少し出遅れている感があるが・・・
ここはもう9m中抜きから。ラス目のあの両面チーが安いはずがなく、速度も悪くてもイーシャンテンに見える。そしてタンヤオじゃない可能性も大いにある。
こんなところから1pでも切って放銃した日には、いくらなんでも面目丸つぶれだ。攻撃型、守備型とかではなく、ここからは一切甘い牌を切らないのが強者の鉄則。
現状4万点近く持っているトップ目。ラス目の親リーチがかかっているが、こんな手牌でオリてはいられない。安全度なら1m暗刻落としだが、この局で下家を飛ばすつもりで気合の3sプッシュから。
とはいえ、次局のこのテンパイはダマにした。サクッと局を流せるならそれはそれでよし。決めに行きたくなるところでもあるが、47sが期待薄なこともあり、2536s引きの変化まで見て?ダマ。
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ラス目。これも、こんなところじゃオリていられない。8p切りからまっすぐ攻めて・・・
手広くなって・・・
ツモいファイアー!!つえー!
東1局。リーチを受けており、現状2シャンテン。5pが通っているが、中抜きするのはちょっと寂しすぎる。
まっすぐ行くなら8pだが(4巡目の8pは通っていない)、ここは2pトイツ落としを選択。1pが3枚見えていることから2pの方が放銃率が低く、カン8pで刺さるとドラ絡みだ。自分の手は5ブロック揃っておりどうせ2pも8pも不要なので、安全度の高い2pトイツ落としから。非常に丁寧だ。
ダマテンにしていたが8sポンが入り・・・
ツモ切りリーチを敢行!待ちがわかろうとなんだろうと、9sが使いにくくなっていることに変わりはない。
いちはらさんはここのところ天鳳をあまり打っていないようだが、このまま引退してしまうのはあまりにもったいないと個人的には思う。鳳凰卓内にも強い人と言うのはゴロゴロいるが、これほど見る者を魅了する打ち手もなかなかいない。いちはらさん、ダブル天鳳位獲ってくれ。頼む。
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