微妙な押し引きと「手詰まり」を生まない手牌進行(前編)【過去掲載分】




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現代麻雀の原典とも言える「科学する麻雀」。

今年の12月1日に発売された「新版 おしえて! 科学する麻雀」の帯には、「麻雀戦術のパラダイムシフトはここから始まった!」と書かれているが、まさしくその通り。この本によって、間違いなく世の麻雀観は変わった。
その中でも、世の麻雀に与えた影響として一番大きいのは、「テンパイ即リーの原則」「ゼンツとベタオリの両極端化」の二点だろう。今回はこの「ゼンツとベタオリの両極端化」について。




それまでの麻雀界は、「回し打ちがうまいこと=麻雀がうまい」と捉えられ、ゼンツやベタオリは、カモがやるものと思われていたようだ。2シャンテンから筋を切らずに現物を中抜きするのは今となっては当たり前の光景だが、どうやら昔はそうでもなかったらしい。

その中でとつげき東北氏は、「押し引きにはゼンツとベタオリの2つしかない」と主張し、数字的な根拠の元で「条件を満たしているならば押し、満たしていないならオリ」と示した。その後の研究で、「科学する麻雀基準」よりも少し押し寄りで良い事がわかってきたが、「押し引き基準を数字で示した」というのは、麻雀界の革命的な出来事だったといって良いだろう。

昔の天鳳界というのは、今よりもエセデジタルな麻雀論が流行っていたように思える。ただ実際のところ、科学する麻雀に書いてあることと一言一句たがわず、押し引きを「押し」「引き」の二つだけでやっていた人と言うのは、少なくとも私の知っている限りではいない。みんな、イケてるイーシャンテンからは1枚切れの字牌くらい切っていた。経験上、それが有利だと誰もがわかっていたからだ。デジタル仙人さんなんて、中途半端な押し引きがめちゃくちゃ上手かった記憶がある。

微妙な押し引きの「感覚」を磨け!!

強者は皆、中途半端な押し引きが上手い。0か100か、ではなく、

「0(ベタオリ)→10(ちょい押し)→50(まあまあ押し)→100(フルゼンツ!)」

みたいな。自分の手牌が「50くらいまでは押せる」と感じたら、「まあまあの牌」くらいは切るが、「ヤバそうな牌」は切らない。この辺は「感覚」と言っても差し支えないところだろう。

これはタケオしゃんの牌譜より。待ちが薄く、ダマにしていることからもわかるとおり、この手の押し度は50(まあまあ押し)くらいだろう。マンズの真ん中なんて持ってきた日には即刻やめだろうが、端っこくらいは押してみる。

これはウルトラ立直さんの押し引き。1pが枯れており、待ちに自信がないためダマを選択するが、「0(ベタオリ)」ではなく「20(ちょい押し)」くらい。ちょろりとワンチャンスの9mを押し・・・

全くもって通らなさそうなこの7mでさすがにオリ。この7mは「120」くらいのド危険牌だ。こういうのを切らないためにダマにしている。

これは「たの@」さんの牌譜より。親リーとラス目リーチの2件リーチに挟まれたが、親には通っていない7mをプッシュ。

上位3人競りの状況、親のアガリを潰せたらとても大きいが、さすがにラス目のリーチには打ちたくないだろう(親リーにも打ちたくないけど)。というわけで、ラス目には「5(ほぼオリ)」、親には「20(ちょい押し)」くらいの押し引きで行く。

仕掛けが入り乱れている局面は感覚が麻痺しやすい

これはASAPINさんの牌譜から。

あっちもこっちも仕掛けが入り乱れており、自分も3900テンパイ。リーチがかかっている局面よりも、こういう局面の方が「感覚が麻痺しやすい」状況だと言える。この状況で生牌の発は「90」くらいの危険牌に見えるが、感覚が麻痺していたり、気持ちに余裕がないと「ええい、もう知るかー!!」と切ってしまう打ち手も見かける。この手で発を切り続けていると確実に死ぬ。

こういうのもそう。冷静に見れば、上家の2フーロはかなり煮詰まっているように見える。だが、「ラス目の親、早く追いつかないと!」というところにばかり意識が向いていると、こういう仕掛けをしがち。ここから2mや5pなどの危険牌を切って1500点を取りに行くのは、割に合っていないように見える。


「中途半端な押し引きの上手さ」というのは、間違いなく成績に大きな影響を及ぼす。自分の手牌の価値と出て行く牌の危険度で相談するわけだが、言うは易し、行なうは難し。これを全て完璧にできる人間(別にAIでも良いけど)がいたとしたら、他の部分が多少ヘタクソでも天鳳位になれるんじゃないかとさえ思ってしまう。

後編へ続きます。

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