広告
平澤元気プロの著書・「絶対にラスを引かない麻雀」の帯には、「麻雀の半分以上は守備の時間なのです」と書かれている。
麻雀は守備の時間が非常に長いが、天鳳はその中でも特に長い。
オリるという選択肢は、自分で作ってる途中のお城を、丁寧に丁寧に解体していくようなものだ。国の発展のため大切に築城してきたにも関わらず、「リーチ」と言われた時にまだまだ未完成の状態なら、あっけなく壊していかなければいけない。それも丁寧に。
この「丁寧に」というのが曲者で、おりゃー!と爆破してぶっ壊せるならそれはそれで楽しいかも知れないが、部材の一つ一つを丁寧に取り外していかないといけないので、相当ストレスが溜まる作業だ。
作っては壊し、作っては壊しを繰り返していると、段々こらえがきかなくなってきて、「もうちょっと作らせろやー!!」と築城を続けたくなる。そうして相手の攻撃を無視して築城をしていると、相手の攻撃をもろに受け、人的被害が出てくる。
さっさと撤収してしまえば、物資に被害は出ても職人や大工が死んだりすることはないので、次局また物資を集めて築城できる。が、職人さん達が死んでしまうと、他国からムリヤリ引き抜いてこないとならなくなり、更に無理をする必要が出てくる。
そうこうしていると他国に対して大きな遅れを取ることになり、天下を取るのが難しくなってくるのだ。自国の発展のためには、「攻めてくんの早えんだよ!!クソムカつく!!」とブツブツ言いながら、解体作業をしないといけない局面が多くある。
築城をやめる(それも早い順目に)のを繰り返すのは、非常に辛いことだ。しかし、冷静な判断力で「築城やめ!!」の命を出し続けることのできる殿様だけが天下を取れる。そうして、相手より先に築城できたり、相手から攻めが来た時に完成間際!!という機を見て攻め返せば、そうそう酷いことにはならない。
とある鉄強の牌譜より。
相手の火の手が上がった瞬間に骨組みを抜き・・・
翌年も3巡目に大黒柱をあっさり抜き・・・
耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで・・・
オーラス、サラッと小さな城を建てて、2着に滑り込んで候。
結局この殿様は、他の藩がドンパチやっているのをかわし続けるだけで二着を得、四十五点の収入を得て申して候。どこかでちょっとでも気持ちが切れて無理な攻めをしていたら、きっと逆連帯にて候。
天鳳はこれで良いのだ。なんだか消化不良でもう一本打ちたくなりそうな2着だが、消化不良だろうがなんだろうが45ptがもらえることには変わりない。こうして地道なポイントを積み重ねることが、数十戦、数百戦後の昇段につながっていくのだ。
こうして書くととっても簡単なことに思えるが、3442333みたいな逆連帯が続いた後にこういう我慢の打牌ができるかどうかが実力だ。
キレて押すことは簡単で、誰でもできる。しかし、そのキレ押しでポイントを溶かしたら、さらにキレることになる。後でキレたくないなら、今冷静にオリよう。
広告
関連記事
- 【天鳳戦術】「単騎にしか刺さらない牌」の危険度について
- 【天鳳戦術】ちょこっと牌効率 不思議な牌姿3選【過去掲載分】
- 【天鳳強者の麻雀観】守備力は攻撃力を兼ねる
- 【天鳳戦術】不思議な牌姿3選
- 【天鳳強者の麻雀観】ツモ切り追いかけリーチへの対応を考える 基本の対応と例外パターン