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「決め打ち」・・・一つの手役に狙いを定め、その手役に必要ない牌を全て切っていく打ち方のこと。 極端な例で言えば、
ここから789の三色に決めて、南を残して5sや9mを切っていくのが「決め打ち」と呼ばれるものだ。
この打ち方は、赤の入っているようなルールではほとんどお目にかかれない。単純にテンパイ速度が落ちるからだ。逆に、打点を上げる手段が少ない競技麻雀等では、よくお目にかかる。石橋伸洋プロなんかがよくやっている。
この打ち方、単純に手牌のことだけで考えれば、効率が悪くなる。わざわざ5sを切って6sの受けを消す必要はなく、そんなに6sが要らないなら6sをツモった時にツモ切ればいいだけの話だ。
決め打ちが有効になる局面
ただ、実際には、結構この「決め打ち」が有効になるケースというのは意外と多い。
トトリ先生19歳さんの3p切り。ピンズにヘッドがなくなり、もうほぼイッツーになることはないため9sも不要牌だが、ここで三色の決め打ち。
ただ受け入れを狭めているだけ・・・というわけではない。最終形がカン2pになった時に、若干ではあるがアガりやすくなる。そして安全度の面でも、3pよりも9sの方が少しだけ安全だ。
このような、手なりで進める魅力が極端に少なくて、三色(orイッツー、チャンタetc)にならなきゃやる気なし!!という手牌の時は、アガリの道を一本に決めて決め打ちしてしまった方が、安全度やテンパイ後のアガリやすさにつながり、安定しやすい。
結果的にはカン2pの方から鳴けたためあまり変わらなかったが、リーチをかわして1000点の嬉しいアガリとなった。
チートイツは決め打ちしてナンボ
最も決め打ちが効果的となるのはチートイツの決め打ちだろう。この手は水希♪さんの手。チートイツ、もしくはソーズのホンイツの二択に決め打ち。
24mを引いてもツモ切らないんだから1m切ったほうが良くない?って思うだろうか。しかしこの手の場合、3mを先に切っておくことで、南を引いて1m単騎リーチの手順があるのだ。赤5m→3m切りのリーチでは1m待ちがド本命すぎて出アガリが期待しづらいが、3m→赤5m切りのリーチならば1m待ちは多少ぼやける。1m単騎ダマでメンホンチートイを待つ手もあるが、自分がバシバシ字牌を切っていて手代わりも少ないため、1m単騎即リーチが実践的だろう。
チートイの場合必ず単騎テンパイになるため、このように最終形を強くする決め打ちが非常に有効になる。
トトリ先生のチートイ決め打ち。この手の場合には、筋の3p単騎や外側の8p単騎で即リーチできるよう、6pを切って決め打ち。7p引きが大して嬉しくないので、それよりは即テンパイの時の待ちを強くする決め打ちだ。
ちなみに、6pがチーされた次巡、4sをツモってここは3p切りだ。少なくとも鳳南というフィールドでは、3sを引いてリーチといった際、筋の3pよりは8pの方が、他家からの警戒が薄れやすい(ドラが5pなだけに微妙なところではあるが)。5を切っての28待ちならともかく、6を切っての3待ちは、それほど優秀な待ちにならない。周りがもっと弱い感じなら、筋で待った方がいいんだろうけど。
決め打ちは読まれるリスクもはらんでいる
決め打ちすることによって、狙っている手役が読まれてしまうリスクも伴うことは、忘れがちだが大切なことだ。端っこのポンチーというのは手役が限定されやすいが、決め打ちをしていると特にわかりやすくなってしまう。単純な例で言えば、1p切ってからのカン2pチーだと、チャンタや役牌バック、役牌暗刻がないことがわかりやすい。チャンタや役牌系なら、1pを切ってカン2pに固定する必要がないからだ。詳しくは「アガリトップ小技いろいろ」の記事で。
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