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実を言うと私は、自分の牌譜検討とか、牌譜検討配信を見るのが大の苦手。自分の牌譜を見ても「いやこんなのどっち切ってもいいでしょw」で終わり、牌譜検討配信を見ても「そういうのもあるよね~知ってる~へえ~~」で終わっちゃう。
だから、一戦打つたびに牌譜を見直す、地道な努力ができる人はすごいと思うし、ある意味尊敬している。一戦一戦牌譜を見直すのは、どう考えたって強くなる近道だ。私はそれができないから、ひたすら打ちまくって技術や感覚を身に付けるという、非合理的極まりない、昭和のスポ魂的なやり方で上達してきた。ひたすら数を打つことも非常に大事なのだが、少なくとも「打ったら牌譜を見返す」のに比べると、時間対効果では劣るだろう。
だが、不思議と強い人の牌譜を見るのはそんなに苦じゃない。
正直言ってなんでこんなに人の牌譜ばっかり見てるのか自分でも全然わからないが、ある日なんか急に火がついちゃって、毎日毎日ブログを更新している。多分、季節性のウイルスだとかなんかそういうやつだと思う。
ところで先日、おむニキさんという方からDMが来たんですよね。おむニキさんといえば、「鳳南研究所を書いてるのは俺やで」なんてサラッとツイートする不届き者個性的でユーモア溢れるお方。
そんな方から一体何の内容でDM来たんだろう・・・と、ビクビクしながら見てみると・・・
「牌譜を見るときどのように見れば効果的かを記事にしていただきたいです!あと俺の牌譜を記事にしろ」
という内容。なんでも、鉄強の牌譜を見ても「すげー」となるだけで全然活かせず、自分の牌譜を見ても、会心のアガリを見返してニヤニヤするだけで何の役にもたたねえ!!とのこと。
せっかくなので、「牌譜を見るときのポイント」というのを記事にしてみる。
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強い人の牌譜を見るときのポイント
①誰の牌譜を見るか決める
まずは誰の牌譜を見るかを決める。これは自分と似た打ち筋の人を選ぶのがいいだろう。
あまりにも自分とタイプの違う強者の牌譜を見ても、理解できないし、共感できないし、何よりよくわからないので牌譜を見るのをやめたくなるw
自分と似たタイプの強者ならば、自分の上位互換のような打牌が見られるので、実力向上、打牌の精度アップに大きく繋がるだろう。
面前攻撃型・・・
【罪歌】さん、zeRoさん、shoot39(一蓮峻潤)さん、④センチさんなど
面前守備型・・・
すずめクレイジーさん、はぐりん@さん、夕凪さんなど
(この3人に限らず面前守備型の強者は特殊な打牌が多い。見慣れてないと全然理解が追いつかない)
フーロ守備型・・・
ASAPINさん、天鼓さん、大和田頭取さんなど
②一打一打、自分なら何を切るか考えながらひたすら見る
見る人を決めたら、その人の牌譜だけを徹底的に見る。この時に大事なのは、「自分なら何を切るか考えながら見る」ことだ。ツモ番が来るたびに、自分なら何を切るか、というのを決めてから、牌譜の持ち主が何を切ったか検証してみる。このとき、手牌と牌山は、基本的に閉じておくこと。
とは言っても、19の切り順とか、そんなところは飛ばして良い。序盤の手組み、中盤の仕掛けへ対応しつつの打牌など、自分ならこれ切る!というのを決めてから、強者が何を切ったか答え合わせをする。それを一打一打繰り返す。
③自分と違う打牌について、メリットデメリットを考えてみる
一打一打牌譜を見ていると、必ず自分と違うところが出てくる。そこがポイントだ。強者の打牌と、自分の切ろうとしていた打牌について、それぞれのメリット・デメリットを探し出す。これを繰り返す。
一つだけだと別に「ふーん、そうか」で終わってしまうが、いくつもいくつもそれをやっているうちに、強者と自分との考え方の違いが浮き彫りになり、自分の麻雀のどこを直せばいいかわかってくるんじゃないだろうか。
牌譜を見るときの心がけ
強者の牌譜を見るときは、次の2点に注意して見るといいだろう。
①いくら考えてもわからない打牌は無視する
鉄強の牌譜を見ていて、たまにマジでわからない打牌というのは存在する。
例えば、某方のコレ↓
南家のダブ南ポンが相当煮詰まっている局面で、イーシャンテンからドラをツモ切り。安牌の白もあるのに・・・・。
こういうのは、いくら考えてもわからない。何かしらの読みが入っているのか、クリミスなのか、疲れからか、黒塗りの高級車に追突してしまったのかわからないが、わからないもんはわからない。こういうのはもう考えすぎないほうが良いだろう。この一打は、理由が解明できれば記事にしようかと思ってしばらく考えたが、わからなすぎるのでお蔵入りにした。というか、これはさすがにクリミスだろうw
②牌譜で勉強するのは超地道な作業
強い人の牌譜を見たって、「ためになる!」「こいつはすげえ!」というような一打はそうそう見つからない。強い人の牌譜で勉強するというのは、思っているよりずっと地味で、地道な作業なのだ。
強者はいつも、自然に見える「普通の一打」を打っている。そして、その「普通の一打」の精度が高いからこそ、強者なのだ。
強者の牌譜を見たからといって「すんげえ一打」を打てるようにはならない。一打一打ひたすら打牌の答え合わせをし、「この人ならこれを切る」というのを当てられるようになれば、その人の麻雀に近付いている、と言えるだろう。だけどそれですら、「雀力向上のヒント」でしかない。雀力向上のために牌譜を見るのは、すごーーーーく地道な作業なのだ。
そんなこと言っても時間もないし、そんな時間あるなら天鳳打ちたい。もっと手っ取り早く天鳳上手くなりたいんや!
多くの人がそんな感想を持つことだろう。じゃあどうすればいいか?答えは一つ・・・
鳳南研究所読むしかないやろ~~~~(*´ω`*)
ちなみに、おむニキさんが「俺を記事にしろ」と言うのでこれも何かの縁だと思って、おむニキさんの牌譜(天鳳ID:船越英一郎)を一個だけ見てみた。
「船越英一郎」さんと言えば、つい最近までレートランキングの上位に君臨していた方だ。R2300近くまで行ってなかったっけ。
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オーラス、誰も3万点を越えていない局面。幸先良くダブ南ポン。ドラにくっつけばトップ終了の手だ。
一撃終了の手にするためドラを引っ張り・・・
親リーがかかるも、素晴らしい手順で現張りの69mテンパイ。9mがこぼれるのは時間の問題だろう。
そして、ついにその時は来た。
当然のように親のリーチをかわして・・・
下家へ一発放銃。ラスト~~
こうなった以上切る牌はないので6pをツモ切るしかないのだが、芸術的すぎてちょっとわろた。
天鳳位になるような人は、こんなタイミングで6pを引いてこない。6pを切るかどうかの選択にならないのだ(うそです)。おむニキさんは牌譜検討とかの前に、筋トレとか、デトックスとか、善行とか、そういう類のヤツで運量を上げることをオススメします。頑張ってください。
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某方のドラ5m切りについてちょっと思うことがあったので。
牌譜だと推測の域を出ないことは承知であれなんですが、最後に切られた対面の中が、小考した後切られたとしたら、ドラ5mもまあまあ切れる牌になるんじゃないでしょうか。
対面の中は安全牌として持っていた牌なので、テンパイであればさほど迷うことなく切られます。ですがもし1シャンテンでしたら、対面はツモった牌の危険度を考えてから、ツモ切りかとりあえず中を切るかを選択するので少し間が空きます。
まあ、対面もそれを見越してわざと間を開けてテンパイから中を打つかもしれませんが・・・
コメントありがとうございます!
なるほど確かに、牌譜ではわかりませんが「間」で切った、という説はありますね。
これだけの牌を切る以上、何らかの理由があったと考えるのが自然かもしれません。
こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いています。
門前攻撃型の木原さんや守備型のすずめクレイジーさんなどは分かりやすいのですが
フーロの攻撃・守備という分類がよくわかりません。
独歩さんは攻撃型、アサピンさんはバランス型というイメージです。
私はフーロ守備型の面々が目標の打ち筋なので、
フーロ守備という打ち筋について詳しく解説していただけないでしょうか。
コメントありがとうございます!
フーロ守備型は、かわし手で他家より先にテンパイし、他家の攻撃が来る前にあがりきることで、失点を減らすことを重要視するイメージです。
「天鳳の強者」とは少し違うためあえてこの記事には書きませんでしたが、小林剛プロがこのタイプの一番典型的な打ち筋じゃないでしょうか。
小林剛プロのこの記事の一番最初で紹介しているのがフーロ守備型の典型的な打牌です。
安全牌を2枚持ちつつ、両面チーから入ってかわし手を作り、ヤバそうな他家が出てくれば即時撤退、といった感じです。
例えば面前テンパイの場合、多くはリーチすることになりますが、その場合は追いかけリーチを食らうリスクもあります。
放銃リスクを低くしようとすれば、テンパイ後の「オリ」「対応」の選択を残すためダマテンという選択肢も出てきますが、ダマテンにするなら鳴いても大して打点が変わりません。それならば、オリられる程度に安全牌をもちつつ、鳴いて早く手を進めて行くのが有効になる局面も多いです。
アサピンさんは、天鼓さん、大和田頭取さんと比較すると、少し押し寄りかもしれませんね。
もっと上手い説明ができるような気がして歯がゆいですが、こんな感じで分かりますでしょうか?
めちゃくちゃわかりやすい説明ありがとうございます!
かわし手のフーロを積極的に見るのがフーロ守備ということなんですね。
まさに自分の打牌もそういう形なので納得できました。
なんとなく木原さんやzeRoさんのフーロ判断には自分と違うところがあって
混乱していたのですが
こうやってまとめていただけてスッキリしました。
ちなみに、フーロ攻撃というのは、高い手(になりそう)のときだけ鳴きに行くということでしょうか?
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