天鳳強者研究23:ASAPINさん 仕掛けの神髄を見よ(後編/切羽詰った局面での仕掛け、リーチ後の粘り鳴き)




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前編では、ASAPINさんの仕掛けのうち、「面前からの発進基準」「食い延ばし・食い替え」について紹介した。今回は「切羽詰った局面での仕掛け」「リーチ後の粘り鳴き」「その他もろもろ」について紹介しようと思う。このあたりは、ASAPINさんの麻雀のキモと言っても過言ではないだろう。

切羽詰った局面での仕掛け

ここでいう「切羽詰った」とは、「点棒状況的にアガリがかなり偉い」という意味だ。「場況的に煮詰まっている」という意味ではないのであしからず。

現状役がないが、発の後々付け、チャンタ、イッツー、三色を見てカン8mから仕掛ける。役が付く保証なんてないが、面前進行したところでアガれる保障なんてない。それならば一メンツ埋めてから役を作りに行った方がアガリやすいとみた。

ラッキーにも発を重ねる。が、8mをスルーして面前で発を重ねたときよりも、こちらの方が明らかにアガリやすい。どうせラッキーがなければアガれない手なので、ラッキーを最大限に生かす8mチー。

そしてサラッとツモアガリ。上家の河もそこそこ濃く、アガリを拾えなければすぐにリーチが来ていたとしてもおかしくなかった。

オーラスの3着目、アガリが偉く、タンヤオで仕掛けていきたいところだが現状タンヤオターツが足りていない。ここで5mを出来メンツチーすることで5mを浮かせ、ターツを作ることに専念する。また、ここでチーを見せることで、トップ目の上家からのアシストも期待できるだろう。

ここも点棒状況的に切羽詰っている南3局。5pを切るとポンテンや縦引きテンパイの時に三色を逃すが、それよりもポンしやすい8pを残す一打。平場なら打8pとするところだが、局面に応じて使い分ける。

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リーチを受けた後の粘り鳴き

上家からリーチがかかった局面。自分の手は戦うにはちょっと苦しいイーシャンテンだが・・・

この3sを234でチー、打1s。これにより、47s25m4pの5種が鳴けるようになる。スルーした場合は3sを引いた時しか戦えないのに対し、チーして5種でポンテン・チーテンを取れるのは非常に大きい。アガリ率には相当な差が出てくることだろう。

ダブリーを受けながらも、なんとかドラドラのイーシャンテンにこぎつけた局面。上家が切ってきたダブドラの赤5sも・・・

チーして8m切り。どうせこのあと上家がチーテン、ポンテンが取れる牌を切ってきた場合には鳴くわけだから、自分がアガれるパターンの半分くらいは鳴いてのアガリとなるだろう。それならばここで満貫を確定させておく。通ってない牌はまだまだあり、自分には確固たる安全牌もないわけだから、親のダブリー相手とはいえここで8mを押すくらいは問題ないだろう。

そしてこの5pもチーだ!!これが一番勉強になった。受け入れが広がるのは5pの1枚だけだが、5pが通ったこの瞬間、脇の2人が5pを合わせ打ちしてきてもおかしくない。ならば、ここでチーした方がアガリ易いのは明白だ。全く、本当に隙がなさすぎる。なんだこの人は。

結局大した危険牌も切らずにアガリ切ってしまった。何だこの人。ヤバすぎるぞ。

ここでリーチが切った6sをポンの発声!ケイテンのためにカン5sの受け入れを作り出すこのポン。ここで反応できるのは素晴らしいことだが、このポンの意味はそれだけではない。

ハイテイを自分に持ってくる意味合いがあるのだ。結局テンパイせず終局したが、常に自分にできることがないかを考えていないと6sに反応できない。

その他もろもろ

現状、3フーロしてペン5pの2600テンパイ(2pがもうない)。ここで考えておくべきことは・・・

東のポンだ。

いくら裸単騎になるとは言っても、2600→8000の打点上昇があるならそれどころではない。どうせアガリ牌の枚数は大差ない訳だし、ここはポンの一手だ。
ここで4pを切って3p単騎に受ければさすがに待ちはかなり透けるが、次巡持ってきた牌で3pを切れば、待ちは闇の中、なんでもあるブラックボックスだ。他家から見たってピンズ以外で刺さっても5200あるわけだから、めちゃめちゃやりづらい状況になる。

これは邪魔ポン。親の急所牌だったとしてもおかしくない7sはポンして、ラス目の親にチャンスを与えない。

これはチーして3p切りとした。中盤で鳴いて1000点の2シャンテンとなると守備面の低下もかなり気になるところだが、そこは天鳳位、ちゃんと考えてやっている。

上家には2mと9s、下家には暗刻の6pが安牌。対面には9sだけのように思えるが、6pのノーチャンスがあるため、4pと8pもほぼ通る牌だ。スルーでもなく、チー打9sでもなく、チー打3pというのは、攻守ともにバランスの取れた一打といえるんじゃないだろうか。こういうところで、怠けず、驕らず、安全にアガリを拾いにいけるのが強い。

これはトトリ先生19歳の天鳳位昇段後、初めての一戦。点棒状況的に失点があまり気にならず、加点チャンスを追い求めたい局面。現状役なしだが、嶺上開花を狙って大ミンカン。天鳳位昇段直後だというのに、一ミリも緩んでいない。というか、日頃から鍛錬を積んでいないとなかなかこれに反応できないところだ。

仕掛ける手ではポンを逃さないよう、556のような形は先切りせずに持っておくのが基本だが、それも時と場合による。この場合は5mを残しておいても増えるのは5mの2枚の受け入れだけで、序盤に3mを切っているのに3sや中をポンしての5m切りでは、47mの待ちが透けるレベルになってしまう。ここはあくまでも、自分のアガリ率を上げるために受け入れを狭める。ちょっとした迷彩のようなものだ。


ASAPINさんは本当になんでもやる。そしてそのどれもが「超精緻」だ。仕掛けに関して一番勉強になるのはやはりASAPINさんの牌譜じゃないだろうか。

ところで・・・

これまでASAPINさんの仕掛けを色々と紹介してきたが、それが有効に働くのは、ASAPINさんの人並みはずれた対応力があってのことだ。こんな発は絶対に止めるべき牌だと思うが、意外にも仕掛け始めるとこの発が止まらない打ち手は多い。こうした「空中戦でのバランスの取り方」というのも、いずれ記事にしてみようと思う。

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