家から歩いて3分ほどのところに、チェーンのフリー雀荘がある。場代の安い店(婉曲表現)で、客は学生とオッサンが半々くらい。場代が安い(婉曲表現)のが少し物足りなくもあるが、牌が握りたくなってどうしようもない時は、たまにふらっと立ち寄る。
この店では、私がリーチをかけても誰1人オリない。まぁ、場代が安い店なんて大体そんなもんだ。それはいいとして、気になるのは「卓の進行速度がやたらと速いこと」だ。客もメンバーも、ノータイムでペシペシ牌を切ってくる。字牌整理の数順はおろか、少し煮詰まってきてからもノータイムで牌を切ってくる。点棒授受なども、早いというよりもせわしなさを覚える。試しにメンピンツモ赤裏を「3000-6000」と申告してみたら、みんながささっと点棒を払って何もなかったかのように次局が始まった。ラッキーw
雀鬼流の影響なのだろうか。「早く切るのがカッコイイ」という価値観は、若い学生なんかによく見られる。だが、当たり前の事ながら打牌の早さと強さには何の関係もない。「なんとなく強そうに見える」だけだ。
私も雀鬼流から麻雀を覚えたため、こういった価値観を持っていた時期は確かにあった。だが断言しよう、早く切ったところで、ただミスが増えるだけだ。いくら麻雀が上手くても、こういったところに弱点があると勝ちきれない。
打牌が早く、サクサク回る卓に入ると、なんだか早く打たないといけないような気がして、つられて早く打ってしまう人も多くいる。十年以上麻雀を続けている人でさえ、だ。これは多くの場合無自覚。だが、勝ちきっている人は、周りのペースに惑わされず、考えるべき局面はしっかり考えている印象がある。
ノータイムで切れる牌はノータイムで切れば良い、しかし考えるべき局面でも雰囲気につられて早打ちするのは良くない。考えるべき局面では30秒でも1分でも考えてから切れば良い。それを急かす権利は誰にもないし、指カチカチやられても見てないフリをすればよし。
・場末のオヤジ達の例
寂れた雑居ビルに入った場末雀荘のオヤジ達はどうだろうか。先ヅモこそすれ、ノータイムでパシパシ切るオヤジなんて一人もいない。人には急かすクセに、みんな「ウーン、チョット待って」とか言いながらマイペースに牌を切るw「焦って切っても良いことなんか何もない」って、身をもって知ってるからだろう。
・天鳳高段者の例
天鳳の十段や、天鳳位の場合はどうだろうか。
観戦していると、みんな本当に一打一打考えて切っているのが見て取れる。自分の成績を少しでも上げるため、一つでも上の着順を取るため、卓上の情報を必死で集めて、制限時間の中で必死で最適解を出そうとしている。
ちなみに、天鳳だと休みの日は割とみんなゆっくり考え、平日の夜(特に24時頃)はみんなサクサク切る傾向にある気がする。これは、次の日仕事があるかどうかで心の余裕具合が変わってくるからじゃないかなと勝手に思っているw
・プロの例 協会、最高位戦
プロのタイトル戦は、どうしても切るのがゆっくりになる。そりゃそうだ、結果一つでその人の人生すら変わりかねない戦いだからだ、
ちょうど今の時期は協会の「雀王決定戦」と最高位戦の「最高位決定戦」が両方やっているのでちょくちょく見ているのだが、打牌速度は協会の方が1.5倍くらい早い。最高位戦の方は、「格式」的ななんやかんやが打牌速度に影響を与えている印象。
ちなみに内容は非常に濃くて面白いので、麻雀好きなら一見の価値あり。
・大事なのは「自信をもってゆっくり切ること」
つい急かされちゃう人が、じっくり考えるためにはどうすればいいのか。答えはただ一つ、「自信を持ってゆっくり切る」ことだ。
打牌が早い人3人の卓に入っても、自信を持ってゆっくり切ること。サクサク進む卓でゆっくり考えて切ったって、何の問題もない。牛歩は論外だし、ノータイムで切れる局面はノータイムで切ればいいが、考えるべき局面でじっくり考えるのは、マナー違反でも何でもない。
コイツは急かしても無駄だわ、と思わせたら勝ち。一半荘終わる頃には卓の雰囲気も大分代わり、みんなの打速も大分ゆっくりになってくる。
・切る牌以外にも考えてから切るべき局面
これは天鳳なので何も考えずに6sを切ればいいが、フリーやセットなどのリアル麻雀ではノータイムで6sを切ってはいけない。切る前に、必ず確認すべきことがある。「今持ってきた、発の見えている枚数」だ。
下家や対面から8mや9mが出てきたとき、出てから発の枚数を数えているようでは遅い。発が3枚飛びなのに思わず鳴きそびれたり、生牌なのに思わず「ポン!」と言ってしまったりという経験は誰しもあるはずだ。リーチが入っている時などは特に、出て行く牌の安全度を含めて「何を鳴くべきか」を考えておく必要がある。一瞬河に目をやるだけで良い。天鳳は止まってくれるから楽だけど。
ちなみに、早く打ちたい人を否定はしません。麻雀の楽しみ方は人それぞれなので。長考する人を急かす権利は誰にもないように、早く打ちたい人をゆっくりにさせる権利も誰にもない。
↓役立ったらクリック!!
麻雀ランキング
関連記事
- 【天鳳戦術】「単騎にしか刺さらない牌」の危険度について
- 【達人の一打】すずめクレイジーさん これぞ天鳳位!!神業の差込み選択
- 【達人の一打】シンプルなワキガさん 天鳳名人戦の牌譜より
- 【天鳳戦術】アガリトップ小技いろいろ
- 【天鳳戦術】不思議な牌姿3選
あんまりテンポが悪いのもどーかと思いますけどね、単純に早打ちすりゃいいってもんでもないですね。
点数申告に関してはてめーら和了り形確認してんのかよって人は結構いますねw
自分は必ず確認しております。
おっしゃるとおり、牛歩は非常によろしくない。ツモ動作等の所作は素早く、早く切れる牌は早く切って、考えるところはじっくり考える、が理想の形かなと思います。
点数計算は間違えるのも、人のアガリ点を確認し忘れるのも実力のうちですねw
打牌時間はリソースだと思ってるからゆっくり打ってる
そのほうがミス減るんでw
牛歩叩きしてる連中は麻雀を作業ゲーと捉えてる印象
狂おしいほどに同意
人生で初めて雀荘行ったとき、慣れない牌の大きさ(手積みの経験しかなかったけど、自動卓は一回りでかいね)と卓の速さにパニックになってズタボロに負けたわ
制限時間ある天鳳では余裕で考えられるのに、自由なはずの雀荘で思考できないんだから困る。ネットなら絶対押さない牌で何回振ったか……
でも冷静になってゆっくり打てば、場代が安い店の客なんてクソザコばっかなんだよね
符ハネ計算忘れてる奴もよく見るし
速く切るより正しく切れだ
考えるべき局面と言えど30秒や1分は遅すぎだろw
常に打牌が遅い人はたいがい弱いよ
考えているようでただ迷っているだけ
メリハリのある打牌を意識してもらいたい