月別アーカイブ: 2017年10月

天鳳名人戦牌譜研究:福地誠先生 福地本読むだけじゃ天鳳名人位は取れない!



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昨年の第六期天鳳名人戦にて見事初優勝を果たした福地先生。

昨年は十段昇段、レートも2400近くまで上げるなどしていたが、今年に入って急落。一気に六段まで落ち、ブツブツ言いながら今は特上の海でもがいている模様。しかしそこは天鳳名人位、名人戦では現在のところプラスにまとめている。

牌譜を見た印象。昨年より押しが弱くなっている。これがいいことなのか悪いことなのかはわからないが、少なくとも天鳳名人戦のスタンダードに近付いていることは確かだろう。

また、福地先生といえば「カンチャン即リー打法」を世間に一般に知らしめた第一人者で、棒テン即リーのイメージが強い(聞くところによれば、「科学する麻雀」が世に出るずっと前から、近代麻雀でカンチャンリーチを推奨していたとか)。が、実際にはシャンテン戻しや少しスピードを落として好形作りに行く打ち方が結構見られる。メンツで打ち方を変えているのかも知れないが・・・。

リーチがかかっている局面。ここから8pを切るのは名人戦では福地先生くらいじゃないだろうか。押しの強い就活生さん、独歩さんも1sを切り、押せるテンパイを作りに行く印象。独歩さんはもしかしたらテンパイ取るかも。

親と西家にフーロが入っているが、赤赤につきで全力投球。これはちょっと無茶に見えるが、間違いなく爆発力はある。ハマれば強い。

巡目も深いが、ここは1sを切ってシャンテン戻し。タンヤオ付きの強いリーチ、または食いタンで安全にアガリに行く手順を踏む。福地先生の牌譜をしっかり見たのは初めてだが、1s切るイメージ全くなかった!面前派の人の一打という感じがする。

これは教科書通りの一打。47mは悪くなさそうだが、裏目の4mツモでの三色を見て6m切り。

親でのタンヤオテンパイ。ドラの東を切って一旦ダマに構え・・・

鳴かれないことを確認して次巡ツモ切りリーチ。このリーチは福地先生の麻雀観を如実に表していると思う。

「ドラを鳴かれないことを確認してのリーチ」は舐められるからやめとけ、と言う人もいるが、福地先生の麻雀観ではおそらく、そんな事は大した問題じゃない。
あくまでも、ドラが鳴かれていないことと、自分の手牌が判断基準だ。舐められたところで、他家から見ればイーシャンテンから親リーにはそうそうぶつけられないことには変わりない。「麻雀の構造上リーチ優位」なこの局面でのこの手は、舐められるとかどうとかで有利不利が覆るほどのもんじゃない。福地先生はきっと、「麻雀はそんなに対人ゲームじゃねえから( ̄w ̄)プッ」って言うだろう。これはリーチすべきに見える。

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オーラス2着目、このカンは面白い。2着確定の仕掛けだが、不運なことに河が目立ってしまっているせいで上家の独歩さんにケアされ、すでにガン絞りされている状況。それならば自力のツモ回数を増やし、自力でテンパイしに行こうというわけだ。もっと平穏に見える河で、もっと平穏に見える仕掛け方なら、独歩さんからのアシストを期待するためカンはしないだろう。先ほどとは打って変わって対人ゲーム寄りの一手。

親の木原さんこそテンパイしなかったが、独歩さんは安全そうな牌だけを切りながらのチートイテンパイ。こういうのを見せられてしまうと福地先生ブログで「名人戦のメンツはみんな強くて嫌になる、卓には一人くらいスライムがおらんと・・・」と愚痴るのも頷ける。

面前テンパイしても安くて渋い手だが、この7sをスルー。残り一枚の東バックに受けない。そういうもんか。

これは両面に受ける人もいるがバッタに受けるべき手だろう。両面の2000点とバッタの3900or7700とでは打点が違いすぎるうえ、ドラを切ったところでドラまたぎ36pテンパイはそう容易くアガれる両面ではない。ここは一人麻雀の時間だ。(※8の三色同刻見落としてました!どっちでも満貫でした!)

あっさりドラをツモって満貫のアガリ。

この7mスルーは緩手だったか。ドラ表のカン5mが残るとはいえ、素直にイーシャンテンに進めたほうが良さそう。

赤赤のイーシャンテン。下家と8500点差(2本場)で、トイメンが残り700点。当然こんな中はスルーして・・・

ツモか中出アガリで2着のテンパイもとらず・・・。

この跳確テンパイでリーチ。これなら無限にゴリ押ししてくる対面からも出上がり可能で、ツモればトップ。「たまたま上手くハマった」のはその通りなのだが、中のバッタで即リーチよりこっちの方がいいかな。どうだろ、比較が難しいけど。


打ち筋の話からは少し逸れるが、個人的には、福地先生がいなかったら天鳳界の盛り上がり方は3割減くらいだったんじゃないかと思う。天鳳界隈だけでなくプロ系にも強いパイプを持ち、ちょっとやそっとじゃ公開できない情報をバシバシ公開していくジャーナリスト。それでいて、プレイヤーとしても超一流とは行かないまでも、あんまりチャオらないくらいでやっていけて、麻雀に関しても情報発信できる打ち手。福地先生がいなかったら、誰がこのポジションに就いてたんだろうか。適任は誰もいないだろう。

そういうわけで、天鳳名人位が六段ではちょっとカッコつかないので、早めに鳳南に戻ってきてください。お願いします。

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天鳳強者研究22:「円」さん(AyouFさん・元十段) ネオ手役派の手作り



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22人目の強者は、「円」さん元十段。「AyouF」というアカウントでも好成績をたたき出しており、誰もが認める鉄強の1人だ。ちなみに「AyouF」は「エーユーエフ」さんとお読みするらしい。「アチョーフさん」と勝手に呼んでいたw

この人は、ネオ・手役派とも言うのだろうか。面前でまっすぐ進めるよりも、手役を追うことでフーロしてのアガリを増やし、うまくはまれば面前高打点、という進行を好む。

ASAPINさんや太くないおさん、天鼓さんあたりもそうなのだが、こういった打ち筋は対応力に自信がある証拠。手牌を多少短くしても対応しきれる自信があるため、リスクを最小限にしてアガれるところをアガって行こうという感じだ。手牌読みやラグ読みにも相当長けている模様。

第一打からチャンタ決め打ちの打5s。

ここも打3s。3sを持っておくことで三暗刻の目もあるが、3sは残り2枚のみ。どうせ9pや発を重ねる予定ならば、出アガリでは何も付かないツモり三暗刻よりも、チャンタが確定した方が良い。

ここもメンツオーバーに付き、何気なく切ってしまいそうな1sを残しておき・・・。

5mを切らずに4mを引いても対して嬉しくないが、1sを残して2sか3sを1枚引くだけで一気に手牌の価値が上がる。どうにもならないぐちゃぐちゃした手から、一気に純チャン三色の5800が見えてくる。1sを切ると切らないとで大違いだ。

さすがにこの順目ならMAXのシャンテンには受けずに7s残しで、

一撃24000でラスト。6面張(369584s)。

これも面前で進めても価値がなさすぎるためペン7mチー。

面前で進めるよりこうできた方がいいっすね。

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オーラス、跳ツモ条件でこの手牌。中盤に差し掛かり、メンタンツモドラ赤裏にかけるなら4p切りだが・・・。

4pは、6pでの三色、3pでのドラをキャッチできるこの手の要につき、ここではまだ切らない。4sを一枚外し・・・

6mを引いてもテンパイにとらず・・・

6p引きで完成。リーチだ。
満ツモ・ハネツモ条件の作り方の記事にも裏条件の厳しさを書いたが、裏一条件でリーチした場合、裏ドラが30%乗るとしても、それはつまりアガリ率が70%オフになるのと同じことなのだ。自然に条件が追えるなら、裏一条件に賭けるよりはできる限り追ったほうが良い。

 

現状ダンラス目。3着目の早いリーチを受けた局面だが、形が悪く打点も全くなく、さすがに気合オリの時間だろう。さて、何を切る?

シャキーン!!ドラ表の7p切り!!すばらしい一打だ!!

2枚ある牌のどれかを切るのは当然として、ドラ切りリーチのため、ドラ周りの愚形に7pが刺さることはない。さらには、5557、1234567、7999、55667などの複合形も否定される。8sも愚形にはかなり刺さりづらい牌だが、複合形まで考えると7pの放銃率が一番低いんじゃないだろうか。牌理に優れた、すばらしい一打だ。

 

ポンしてもイーシャンテンかつテンパイ時に出て行く牌は無筋だがポン。競りのこの局面、形式テンパイの価値は非常に高く、最終手番で一枚勝負が十分見合う。また、北家のツモ切りで8pや6sが通るかもしれない。北家のツモ回数を増やしてでもギリギリまで可能性を追う、面白いポンだなと思った。


「円」さんは独歩さん、shoot39さん辺りからの評価も高く、雀力には定評がある。特に手牌読みやラグ読みに関しては非常に優れているようだ。また天鳳位になりたいという熱意が非常に高いらしく、今後天鳳位になれるかどうか、注目だ。

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