月別アーカイブ: 2017年2月

天鳳強者研究⑩:おかもとさん(天鳳位) 勝負手作りの鬼



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10人目の強者研究は、最近天鳳位になられたおかもとさん。
牌譜を見た印象。打撃系というよりは守備寄りの打ち筋で、他家への対応に重きを置くタイプ。状況に合わせた手牌の柔軟性が素晴らしく、隙を作らない。ニャッピー夏目さんや夕凪さんに似たところがある。
そして特筆すべきはトイツ手作りや、ゴミ手をあわよくばの勝負手に仕上げる手作りの部分だ。凡庸な進行ならば字牌を鳴いて1000点の交わし手になる手でトイツ手を上手く作り上げ、捨て牌で他家を牽制しながら満貫手に仕上げる。どうにもあがりようのない手で遠い遠い遥か彼方の大物手を見据え、あわよくばの勝負手に仕上げる。このあたりの能力が素晴らしい。まずは牌譜を見て頂きたい。




1

親番4巡目。ペン7mのリーチのみの手を作らず、リャンシャンテンに構え直して好形と平和を見る。

2

2pが二枚飛びの局面。リャンシャンテンをMAXに受けるならば6mだが、1pを切ってまだまだ柔軟に構える。2pを引いた時も裏目にならず、形がかっちりと決まる。簡単なようでなかなか打てないいい一打だ。

4

面子手なら3mだが、チートイツのリャンシャンテンを維持。このあたりは当然の一打といったところか。

5

イーシャンテン時の13468形はリャンカンができるメリットがないため1pが不要に思えるが、下家の4pが早く、場況的にカン7pよりもカン2pが良く見える。最終形を見据えた東切り。これもなかなか打てない一打だ。場況への対応力が素晴らしい。

6

8mに手がかかりそうなところだが、手牌の浮かなさに加えて点棒状況がタンヤオを欲している。

7

次巡。既に9pを切っているが、こちらは中の重なりと8pの重なりがほぼ等価で、67p引きもあるため中切り。

8

このどうしようもない手では当然西は鳴かない。

9

西を鳴いているとここで手詰まってしまう。

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そして三件リーチ。修羅場だ。

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そうこうしているうちに、なんとチーテンが取れた。結果的には同じだが、前順は共通アンパイの6sではなく筋で2枚飛びの1sを切って少しだけ粘りを見せている。1sが1枚飛びであれば6sから切っているところだろう。

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そしてあがりきる!!三者のリーチを交わし、4000点の収入。これ以上の「良いアガリ」があるだろうか。
ひいき目に見ても上がりきれたのはできすぎであるとも言え、また結果論的な話にもなってしまうのだが、序盤の西をポンする打ち手はこういったアガリは生まれない。鳳南を観戦していると1枚目の西から鳴く打ち手も散見されるが、遠い仕掛けをせず字牌を安全牌として温存していくことは、守備力の観点だけでなくのちのちの対応力・粘りにも繋がる。ただまっすぐにアガリに向かうだけが攻撃力ではないのだ。




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この4sはチーして発切り。4sをスルーしてリーチ手順に向かったところで、将来的に14sはネックになるところだ。ソーズ下で一面子確定させることでマンズ3-7、ピンズ3-8、ソーズ3-7のツモが全て有効牌として使える。お手本のような雀頭のないチー。

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5800テンパイからの対ラス目リーチ対応。安全牌は3sのみ。捨て牌も非常に薄いが、2p切りからの4p引っ張って宣言牌リーチで、もろ引っ掛けの7pが危なく映ったか。ただ仮にこのリーチがカン7pだとすれば、2468p北から2pをツモ切ったことになるが7pの危険度はどうか(中は北切り時にツモってきて安全度で入れ替えたものに見える)。

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ターツは一応足りている。ゴミ手なので、3pくっつきの好形よりも東発の縦引きの交わし手を見たいところ。あわやのホンイツ満貫まで見える。

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ぐちゃぐちゃの手だが9mはポンして打9p。トイトイとホンイツを見据える。さっきの西スルーの時とは、守備力もうまくはまったときの打点も段違いだ。

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8pもポンして打2mでイーシャンテン取らず。白ポンしての3フーロ愚形1000点など不要だ。

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他家を牽制しつつうまく手を進め、2600テンパイ。トイトイにもホンイツにもならなかったが、あの手が好形2600に育てば上出来だろう。

 

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ラス目のバラバラ手。7p3pから切って9pポンしてトイツ手へ。これもなかなかできない手筋だ。

この手もポイントは7p3pから切っていくことだ。9pポン時の河が1m 1p 3p なんかだと、他家にもなかなかケアしてもらいづらい。いわばブラフの一環なのだが、ラス目の自分ができるだけ目立つことにより他家の足を止め、字牌を打たせずに場を重くしている間に自分のペースに持っていき、字牌を重ねる。この手が例えば中暗刻+発トイツ、のような整ったトイトイ手牌であれば、なるべく警戒されないようおとなしい捨て牌にしていくのが良いだろう。手牌の整い具合に応じて、河を濃くするか薄くするかというのも戦略の一つだ。

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この手も9pポンして東バック、2000や2600が本線の手だが・・・・

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この中ツモ!!この一牌で打点がすさまじく変わってくる。第一打から凡庸に字を切っていると凡庸な打点にしかならない。字牌は一つ重ねるだけで大物手に育つ可能性を秘めている。

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これもラス目。おとなしく進めてもどうにもならない手。東ポンしてブラフ+あわよくば南重ねてのトイトイ。

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ゴミ手をそのまま進めても仕方ない。三色とあわやのチャンタ三色役牌の3900を見て5mから。

23

イーシャンテン。トイメンはまだテンパっていなさそうなところ。全方向に危険になる3mをギリギリのタイミングで処理し、安全牌の1mを残す。

どうだろう。場況・他家への対応力と、バラバラ手での打点作り。特に打点作りに関しては参考になる点は多いのではないか。なかなか面白い牌譜であった。

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牌譜:
http://tenhou.net/0/?log=2017012921gm-00a9-0000-6c238318(1位)
http://tenhou.net/0/?log=2017012901gm-00a9-0000-7d8b1540(3位)
http://tenhou.net/0/?log=2017012900gm-00a9-0000-1955a531(4位)
http://tenhou.net/0/?log=2017012900gm-00a9-0000-b57a0d5f(3位)




 

【天鳳戦術】「単騎にしか刺さらない牌」の危険度について



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現在リーチを受け、自分はベタオリの手牌。
4p.4sが通り、2枚切れ1p、2枚切れ1sのどちらかを切ろうとしているところ。
リーチの捨て牌は
西 北 南 1mリーチ 4p 4s
ドラは東。
さて1pと1sのどちらを切るべきか。

これだけの情報では何もわからないが、見えている、または通っている牌によって1pと1sの危険度が変わってくる。
大事なことは、単騎にしか刺さらない牌が単騎形に刺さる場合は、大体が1222や1333といった複合形に刺さるということだ。それを考慮すると、以下の場合には1の放縦率が低くなる。

①それぞれの色の23が通っているか
②それぞれの色の23は自分の目から何枚見えているか

①23が通っているか
⇒それぞれ2や3が通っていれば、1222、1333形に放縦することがないため、1の放縦率が低くなる。

②23は自分の目から何枚見えているか
⇒自分の目から2が2枚見えている場合には、1222に放縦することがない。
3が2枚見えていれば、1333に放縦することがない。

ただし②の情報では、1345666のような形は否定できないため、優先して見るべきは①の2378が通っているどうか、だ。
安全度は、23が通っている時の1>23が2枚見えている時の1>何も情報なしの1 となる。

皆様の快適なベタオリライフにお役立て下さい。
久しく間が空いてしまいましたが、また鳳南強者の牌譜研究もやっていこうと思います。

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