第7期天鳳名人戦 第7節の牌譜より 独歩が4連勝で独走態勢!!



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昨日(2018/1/12)、第7期天鳳名人戦、第7節が行われた。結果は次の通り。

前節終了時点で+448.4の2位だった独歩が4連勝!!2位の多井を400ポイント近く突き放す独走態勢に入った。逆に+500.7の首位だった多井は今節は不調で、明暗がくっきりと分かれた。残りは4節。周囲のマークが厳しくなることも予想されるが、好調を維持して逃げ切り、初優勝を手にすることができるだろうか。

今回も非常に見応えのある闘牌が繰り広げられた。というかみんな切れ味が鋭すぎる。一体何を食ったらこういう麻雀が打てるようになるんだろうか。


対面・就活生さんの不穏なホンイツ仕掛け。場には一切のピンズが放たれなくなる。小林剛プロ、ここで一旦迂回の構え。


しかし数巡後、テンパイするとサラリと生牌の発を切っていく!現状トップ目、打てばラス目に落ちるが、それだけこの25mテンパイに手ごたえを感じているということだろう。


3着目のトトリ先生も全然通ってない7pをぶつける!!就活生さんだけでなく、上家の小林プロも明らかに前に出てきているため危険度は高いが、アガれば大きすぎる。


結局小林プロがアガりきった。
天鳳名人戦というフィールドで、アガリをもぎとるというのは並大抵のことではない。こうやって、血へどを吐くような牌を切っていかなければアガれない、地獄のようなフィールドだ。


今度はトトリ先生のカラ~いダマテン。ラス目の親、というのももちろんあるし、今節開始時点でトータルトップだった多井プロを沈めておくというのが今回の大切なテーマ。その多井プロから直撃ができ、大きな大きな1600点となった。


オーラス、独歩さんの手牌。払う予定のカン8sがうっかりチーできてしまった。対面の中嶋プロとは4700点差。さて?


ピンズの両面を落とし、白ポンで条件を満たせる構えにした。しかし5sポンの後に打たれた白はスルー。いくら条件が満たせるとはいえ、裸単騎にまではしないのが独歩さんのバランス。

一方中嶋プロは判断が難しい。即リーチ、5sポンが入った瞬間にツモ切りリーチ、2m切らずにオリなど、様々な選択肢があっただけに悔しいところだ。リーチ棒を出すと独歩さんが2900でOKになることもあって、リーチはかけづらいか。

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木原プロのドラ切りを見て、解説席がうなる。

福地先生「昔の麻雀プロって、ここから役牌ドラ切る人いなかったよね?いなくなかった?」
タケオしゃん「そうですね、とりあえずドラを持っておいて、テンパッたら切るのが主流でしたよね。様式美というか・・・」
「様式美」か。上手いこと言うなあ。確かに、この手でドラを引っ張るという選択は様式美でしかない。麻雀に様式美は全く必要なく、有利か不利かという指標で打牌選択をするしかない。麻雀には過程しかねえ!!


シンプルなワキガさん、ここから1mを出来メンツチーして・・・


打7p。形式テンパイに向かう巡目。カン8pが残り一枚しかないとはいえ、明らかにマンズを切らずにケイテンを取りに行こう、というチーだ。実際に、47mは対面・中嶋プロの跳満の当たり牌。7pも危険牌なのに、こっちはサラッと切っていく。一体この人達には何が見えているの?超能力なの???


こちらは小林プロ視点。下家の就活生さんからのリーチに対して、トトリ先生も宣言牌をチーして押し返す。


さていきなり手詰まりのこの局面。何を切る?


小林プロの選択は、なんと1m切り!!
ダントツ気味のトトリ先生が押し返しているのであれば、2pは早いがピンズに染まっている可能性は大いにある。ホンイツだとすれば、捨て牌からして字牌絡みの待ちになっている可能性はかなり高そうだ。だから、南は切らない。
しかし、1pと1mでは、明らかに就活生さんに対する危険度が違う。トトリ先生も2pの先切りで、1pが当たることはかなり少ないだろう。それを考慮して・・・1pではなく1m切り?
これは非常に興味深い選択だった。何かが見えているのか?もしくは、競技麻雀の場では、トトリ先生2p切りの時点で6ブロックに受けた1p待ちが存在するということだろうか?それとも、多井プロを沈めるため、最悪下家の就活生さんには打ってもいいかという構え?ここは是非聞いてみたい。


トトリ先生のチーの発声!!


カン4mでチーしてのタンヤオ移行。「ドラドラダッシュ」の三色付きバージョンだ。上家の多井プロがマンズをバシバシ切ってきそうなことも有利に働く。ASAPINさんのこういう動き、本当にいやらしい。


就活生さんの6s切り。
当然スピードは 落ちるが、ドラの中ぶくれをこの形で残しておくと、ソーズ1345s引きでドラを使い切りやすい形に変化する。巡目が浅いため、打点を重視し、実質2シャンテンに戻すこの一打。これが今回の名人戦で一番良い一打だと思いました。


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歌舞伎町最弱の打ち手「Pちゃん」



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私が子供の頃、たまに家に「Pちゃん」というおじさんが遊びに来ていた。
私の親父は交友が広く、よく友人を家に連れてきて飲んだりしていたのだが、この「Pちゃん」もその一人だ。

この人は、親父の古くからの友人らしく、毎日競馬ばかりやっている「怪しいおじさん」だ。都内に住んでいるのに少しなまっていて、なんだか田舎のおっちゃんみたいな風貌と喋り方だった記憶がある。

「Pちゃん、今日は競馬勝った?」と聞くと、いつも「負けたよー。今日もボロ負けだよ」と返事が返ってくる。いっつも負けてるみたいだけど、この人お金大丈夫なのか?と子供心に思ったり思わなかったり。

ここからは親父から聞いた話。
Pちゃんは、若い頃、毎日のように歌舞伎町で麻雀を打ちまくっていたらしい。当時は、親父とPちゃん、小林さん(仮名)の3人でつるんで、歌舞伎町の雀荘でしょっちゅう顔を合わせていたとか。親父が20代の頃だというから、もう30年以上前のことだ。

小林さんは親父と同郷で、とても麻雀が強く、いつも勝っていたという。親父はそこそこくらい。それでPちゃんはというと・・・毎日毎日、めちゃめちゃ負けまくっていて、「歌舞伎町最弱の打ち手」として評判が立っていたらしい。
そんな不名誉な評判が立ってしまったものだから、色んな「高いセット」からバンバンお声がかかりまくる。Pちゃんは、どんな高いセットも受けて立つ!!と意気込んで、ひたすら負け続けていた。

麻雀の腕前は小林さん>>親父>>Pちゃん。では金回りの良さは?というと、これが真逆で、Pちゃん>>>>親父>>小林さんだったらしい。

小林さんは麻雀勝ちまくるものの、とにかく彼女に金をつぎ込みまくってしまって、いつも金がない金がない、と嘆いていたという。対照的にPちゃんは、負けても負けても金が有り余ってしょうがなかったみたいだ。というのも実家が裕福らしく、毎月数十万だか数百万だかの仕送りがあるから、負けても負けても全然へっちゃらだった様子。

世はバブルの絶頂期。3人はしばらくそんな楽しい20代を過ごしていたのだが、ある日、小林さんが自殺をしたらしい。女絡みなのかなんなのか、詳しいことはわからない。ただ、毎日楽しくやっていた友人の自殺という出来事は、親父の心境にも何かしらの変化を与えたらしく、これをきっかけに親父はその後しばらく麻雀を封印して、仕事の道一筋で突き進むことにしたようだ。

小林さんが亡くなり、親父も麻雀を卒業。残されたPちゃんは、それからずっと何十年も麻雀と競馬だけをしながら生活して、今に至っている。 


先日、正月休みで実家に帰ったときのこと。家族で飲みながら色々話をしていて、何気なくPちゃんのことを思い出して、親父に聞いてみた。
「そういや、Pちゃんっていたよな?今どうしてんの?まだ生きてんの?」
「あー、Pちゃん。生きてるよ。こないだも、一万円貸してくれって泣きつかれたよw」

どうやらPちゃん、まだご健在のようだ。しかし、あの裕福だったはずのPちゃんが「一万円貸してくれ」とは?

「Pちゃんの実家、事業が上手く回らなくなって、昔みたいに無尽蔵に金を出すことができなくなったらしいんだ。昔は親の金だけで食っていけたPちゃんも、最近はあんまり仕送りもらえなくなったらしくて。Pちゃんは働いたりなんてしたことないから、どうにも行き詰まっているらしい。この前電話かかってきて、ガス止められちまったから一万円貸してくれって言われてさw」

ほー。Pちゃん今そんなことになっているのか。

親のスネをかじり続けておっちゃんになるまで遊びながら暮らして、その末に行き詰るというのだから、世の中一般からしたら「自己責任」の一言で済まされることなんだろうが、個人的には、なんだか残酷な話だなあ、と思った。Pちゃんはずっとそのまま生きていけると思っていたのに、なんで・・・。

親父はこんなことも言っていた。「一度Pちゃんに聞いたことがあるんだ。『Pちゃん、毎日麻雀と競馬だけやってて、飽きないの?幸せなのか?』って。そしたらPちゃん、『オレは自分が幸せかどうかなんて一度も考えたことがねえ、そんなこと考えてる暇があったら麻雀してるよ!』って。なんだかあの時はPちゃんが頼もしく思えたよ。ロクでもないおっちゃんなのにw」

一度も自分が幸せかどうか考えたことがないというのは、それだけで相当幸せなことだろう。もうどんな顔だったかも思い出せないおじさんだけど、死ぬまで幸せに生きてて欲しいなあ・・・と思った。その日は酒を飲みまくって全て忘れて寝て、次の日正月ルンルン気分で打ち始めに行ったらボロ負けした。あれは歌舞伎町最弱の呪いに違いない(疫病神かよ)。そんなナイスな正月だった。

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